2018.05.30

Vision Kitのサンプルを動かしてみた

難易度
2
カテゴリー
IoT関連

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Googleが2018年4月に発表したAIY第2弾「Vision Kit」が届いたので、レビューしてみたいと思います。

AIY Project

Googleが行っている「Do-it-yourself artificial intelligence」というプロジェクトの名称です。公式サイトには以下のように書かれています。

With our maker kits, build intelligent devices that see, speak,andunderstand. Then start tinkering. Take things apart, make thingsbetter. See what problems you can solve.
(https://aiyprojects.withgoogle.com/)

要するに Google がハード側とAI側をまとめて一つの道具として提供し、ユーザーがその道具と組み合わせて、好きなものを自作できるようにする取り組みとなっています。

去年末にAIYProjectの第1弾として、音声認識が手軽に使える「Voice Kit」が発表され AmazonEcho や GoogleHome を自作しよう!といった内容で話題になりました。

その第2弾として画像認識が手軽に使える「Vision Kit」が今年の4月に発表され、実際に手元に届いたので動かしていきます。

作る

まずは、開封の儀からです。

パカッ

一つ一つのパーツが綺麗に収まっており、ダンボールの質感が自作する意欲を駆り立てます。

中身のパーツを取り出してみるとこのぐらい。意外と少ないんじゃないでしょうか。

後は公式リファレンスを参考に.....

ダンボールにカメラとスピーカーつけて...

Raspberry Pi Zero WとVisionBonnetをつけて...

箱の中にパーツを組み込んだら...

完成!

動かす

今回使用した機材は以下になります。

  • Vision Kit
  • ディスプレイ(HDMI)
  • ノートPC(sshで接続するため)
  • 周辺機器
    • miniHDMI変換機
    • microUSBケーブル
    • USB電源(コンセント)
    • キーボード

筆者はAndroidを持っていなかったので試さなかったのですが、「AIY Projects app」 というアプリがGoogle Play Storeで公開されているみたいです。(アプリからVision KitのWi-Fi設定が可能になります。)

JoyDetector

最初に遊べるデモがJoyDetectorになります。JoyDetectorは検出した顔がどのくらい楽しそうかを判断するデモになります。

Vision Kitに電源をつなげてしばらく待つとVision KitのLEDが緑色に光り、ビープ音が鳴ったら表情認識スタート!

つまらなさそうな顔を認識させると...

Vision Kitのボタンが青く光ります。楽しそうな顔を認識させると...

音がなりながらボタンが黄色に光ります。

別のデモを行いたいときはバックグラウンドで動作しているJoyDetectorを停止する必要があるので、ターミナルから以下のコマンドでサービスを停止しましょう。

$ sudo systemctl stop joy_detection_demo

また、デモがあるパスに移動しておきましょう。

$ cd ~/AIY-projects-python/src/examples/vision

FaceDetectionCamera

FaceDetectionデモはリアルタイムでカメラから入力された画像の解析を行い、顔の部分を赤い枠で囲むシンプルなデモになっています。

FaceDetectionデモを動かすには、以下のコマンドで起動します。

./face_detection_camera.py

実際に動かすとこんな感じです。

複数人の認識もできているみたいで、かなりの感動です...!

ImageClassificationCamera

ImageClassficationデモはリアルタイムな所はFaceDetectionCameraと同じです。しかし、こちらのデモでは入力された画像に対して複数の物体を検知して、それが何なのかを推測してくれます。

ImageClassificationCameraデモを動かすには、以下のコマンドで起動します。

./image_classification_camera.py

試しにボールペンを写してみると.....

それなりに認識している雰囲気を出しています。

ボールペン以外に背景も含めて写してみると.....

punchingbag, barbershop, lab coat...イマイチですね!

感想

起動し続けているとRaspberryPiZeroが温かくなり、実用的な使い方が可能かどうかはグレーですが、手っ取り早く画像認識の技術に触れる事ができるのは素晴らしいですね。

「顔認識」に関しては、近年話題になっているだけあり、かなり使えそうな印象でした。一方で「モノ認識」は認識できるシチュエーションがかなり限られる印象だったので少し工夫が必要かもしれません。

実際デモのコードを見てみると、主要な機能がAIYパッケージにまとまっており、かなり使い勝手が良さそうに見えます。なので、「お手軽IoT+AI」で何かモノを作るのには最適なガジェットかもしれません。

 

この記事を書いた人

岸本 GMOグローバルサイン・HD

2018年入社。現在はフロントエンドの3Dコンテンツを担当。以前はUnityを使用してVRアプリの開発を行っていました。最近、機械学習の勉強をはじめたので、業務やプロジェクトで使えないか奮闘中です。
趣味ではギターを弾いたり、レジン固めたりしてます。

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