2016.12.26

失敗しないハイブリッドクラウドの最適な選択とは

難易度
1
カテゴリー
サーバー設定初心者向け

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ハイブリッドクラウドは、オンプレミスとクラウド、クラウドとホスティング、クラウドとハウジングなど、複数のインフラ基盤を組み合わせて、サービスやコストの最適化、あるいはシステムの堅牢性を図ろうというものです。

ただし、昨今の動向を拝見していますと、企業内システムのハイブリッドクラウドへの移行は思ったように進んでいないのが現状です。それはなぜか?どうしたらハイブリッドクラウドの効果的な選択ができるのか?を検証していきたいと思います。

■期待する効果とのギャップ

ハイブリッドクラウドを検討していた企業が、最終的にハイブリッドクラウドの選定をあきらめた要因としてよく伺うのは、このようなケースです。
・思ったよりコストが安くならなかった
・性能や機能の制限がかかることが分かった
・移行や運用が複雑になる

つまり、「コスト効果」「サービスの最適化」といったハイブリッドクラウドへの期待が逆にデメリットと感じてしまわれているのです。

皆さんの中にも、ハイブリッドクラウドにこのような印象をお持ちになった方がおられるのではないでしょうか?

■なぜこのようなことが起こるのか

ハイブリッドクラウドには、冒頭に書きましたように、さまざまな連携の形があります。しかし、それぞれのインフラの形には、メリットもデメリットも存在します。
例えば、パブリッククラウドは、ホスティングサービスの中では一般的にコストが安価だという強みを持ちますが、反対に複数のお客さま共用のインフラだけに、カスタマイズ性が低く、連携が得意でないという側面もあります。

このように、ある側面だけでインフラを選定しようとするため、「こんなはずではなかった」ということが起こりやすいのではないでしょうか?

■ハイブリッドクラウド検討のポイント

では、どうしたら良いのか?それには、次のように要件を整理することから始めることが重要だと考えています。

それは、「Must」「Want」「Cut」です。
企業の皆さまがシステムを移行したい、そして移行する先のインフラはハイブリッドを検討したいと思う背景には、現状のシステムにさまざまな課題を抱えておられるからだと思います。
そしてその課題は、大きく「もっとこうしたい」「ここは不要だから小さくしたい(またはなくしたい)」という2つに分けられます。
ポイントは「Cut」の部分です。既存のシステムをそっくりそのまま移行すると、たいていの場合はコストが上がります。既存システムの使われ方やインフラ環境の負荷状況などを確認し、整理整頓をすることも「Cut」の検討材料にしておくと良いでしょう。

この点を大きく整理すると
・「Must」絶対に必要不可欠なこと
・「Want」できれば実装されていることが望ましいこと
・「Cut」削減または削除したい不要なこと

そしてこれらを分類する際の要素にもポイントがあります。それは、「移行・運用の作業」、「機能・性能」、「コスト」です。言い換えれば「ヒト」、「モノ」、「カネ」になります。
これらを先ほどの「Must」、「Want」、「Cut」に当てはめることで、本当に期待する効果が見えてきます。

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■「何を」「どこに」「どのように」

さて、ここまで整理できたところで、次のステップです。先ほど整理した課題をどう実現していくか?ですが、社内にシステム専任担当の方やSIを担当している委託先がない場合は、大変難しい課題になりますね。
そこで検討することは、「何を」「どこに」「どのように」の3つです。
・「何を」:既存システムの何を、何の課題を対象にするか
これは、先ほどの「Must」「Want」「Cut」のところで整理した部分が当てはまります。
・「どこに」:どの場所・どのインフラを移行先とするのか
・「どのように」:移行や運用の形態はどうするのか

これらを整理していくことになりますが、ここで皆さんはWebサイトなどでさまざまな業者を比較することになると思います。どの業者に相談するか?それもポイントですね。
そこで、簡単な比較としては、やはり「何を」「どこに」「どのように」です。これらの手段を持っている業者を選定することで、皆さんと同じ目線で最適な解決策を提案していただける確率がグっと上がります。

■業者選定のポイント

皆さんにとっての最適な業者を選定するポイント、先ほどの「何を」「どこに」「どのように」を次のように当てはめてみましょう。

「何を」:既存システムの移行要件を正しく理解し、コンサルティングしてくれるかどうか。
クラウド・ホスティングサービスは実にさまざまなサービス形態(インフラ)があります。この多くのインフラを、「コスト」や「機能」といった片面的な判断をしてしまうと、クラウド・ホスティングベンダーが持っているサービスをはめ込むことが作業になってしまいます。これは、冒頭に記載したように、「こんなはずではなかった」となってしまいます。皆さんの課題を全体的にとらえてコンサルティングを行っていただけるパートナーが必要です。

「どこに」:移行先として最適な機能・コストを持つインフラがあるかどうか。
ここは、インフラやサービスを多く持っているベンダーを中心に考えると良いでしょう。多くのインフラ持っているベンダーは、当然多くの知見を持っているはずです。

「どのように」:移行や運用といった支援が得られるかどうか
せっかく最適なインフラがあっても、その後の移行や運用といった作業面のサービスがない場合、どうしても自社の力でこれらをクリアする必要があります。しかし、ハイブリッドクラウドは、システムの設置場所が分散してしまいますから、これらを取りまとめる体制やサービスの整ったパートナーが必要です。

このように見ていくことで、皆さんの目的に合った解決先がどのようなことか?がおおよそ明らかになります。もしかしたら検討した結果、「オンプレミスのままが良い」という場合もあると思いますが、それは「オンプレミス」である現状が最適であるという解を見つけたことにもなります。

コストカットや性能向上といった、部分的な検討ではなく、どうぞ多角的に「Must」「Want」「Cut」を分析してみてください。きっと良い解決策が見つかりますよ。

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GMOクラウドでは、皆さまが抱えている課題や問題を解決するコンサルティングも行っています。以下のサイトも併せてぜひご一読ください。
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この記事を書いた人

よしひろ

気が付いた時からずっとプリセールス。
普段難しいことばかり考えているので、この場ではこれからがんばっていこう!という皆さん向けに、わかりやすい記事を書いていきたいと思います。

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