2020.10.20

EC制作会社必見!Pleskを使ったコスパの高いECサイト開発方法をご紹介!

難易度
2
カテゴリー
Plesk(サーバー管理ツール)

EC_Site1

こんにちは、鈴木隆之です。久しぶりの記事投稿です。
新型コロナを理由にほぼ毎日Work From Homeな生活を送っております。インターネットに関わるエンジニアを生業としているので、PCとネットワークさえあればどこでも仕事ができる故なのですが、毎日毎日自宅で仕事をし続けるのはストレスがたまるばかりです。特に集中力の持続が難しく、気が付くと〇〇ゾン等のECサイトを眺めては、ポチッと何か買ってしまっています。そういえば、2カ月前、アジの干物の薫製を作ろうと思い立って桜のチップ材をポチっとしましたが、いまだブツは部屋の片隅に置いたまま。飲み代が少なくなったのに無駄な出費が減らず困ったものです。

皆さんはどうですか?実際、経済産業省が2020/7/22 に紹介した、電子商取引に関する市場調査の結果 -「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」報告書を読むと、米国では「小売店舗閉鎖や外出禁止の広がりの影響から、急速なECへのチャネルシフト」が起きていたり、楽天の2002年4月~6月のECサイトの売り上げも前年度比で48.1%増でした。恐らく、ECサイト開発会社も逃すべからざる絶好の機会として、あらゆる企業顧客への営業をかけ、多数のECサイトの開発プロジェクトを進めておられることでしょう。

そこで今回の記事では、Pleskを使ったコスパの高いECサイト開発について考えてみたいと思います。ECサイトの規模は中から小規模を想定し、例えば、日本で幅広く利用されている EC Cube や、デファクトな WordPress に カート機能を取り入れた ECサイト開発における、Pleskの活用です。

1.EC開発企業が持つあるある課題

EC開発会社は、武器とする、ECサイトを通した商品販売の企画力、それを実装する開発力を存分に使って、数多くの案件に注力したいですよね。そして、お客の物販販売支援を含む、ECサイトの継続サポートを通して、お客さまビジネスと共に売り上げを拡大したいところです。立ち上げたECサイトで販売するお菓子がバカ売れして、その売り上げと共に自社も大きくなれたらと思うと夢は広がります。

しかし、ECサイト構築・運営は、サーバー運用に関わる広い知識と労力が必要になるのは事実です。
例えば、次のような"あるある課題"は常に付きまといます。
ECサイト構築は得意だけど、サーバーエンジニアのヒューマンリソースが少ない。忙しいときこそ、OS設定、メールサーバー構築の構築でプロジェクトの作業が止まるなぁ。
ECサイトには最新のセキュリティ対策を施しているけど、WebサイトやOSレベルのセキュリティや保守運用はよくわからないなぁ。
ランサムウェア のサイト乗っ取りなんて起きたら大変だ。でも、対策するのに大きなコストはかけたくないなぁ。
あの小売店が夕方のTVニュースで紹介されていたな。アクセス急増でサイトが落ちたらどうしよう。

作って終わりのECサイトはありえなく、とりわけインターネット上にWebサイトを公開することは常に危険と隣り合わせです。ECサイトを取り巻く構成要素を考えると、緑色で構成されるECサイトのコアパーツ以外にも、サイトにアクセスするユーザー、攻撃者、mailサーバー、DNSサーバー、OSといったいろいろな人、もの、アクションが存在します。
(下記図参照)

EC制作会社必見!Pleskを使ったコスパの高いECサイト開発方法をご紹介!

こんな話は聞いたことは無いですか?少なくともECサイトの商品販売に直接絡みませんが、知らなかったではすまされない内容です。
ECサイトを立ち上げるLinuxサーバーを構築したエンジニアが辞めてしまった。Webサイト以外でトラブルが出たらどうしよう?
SQLインジェクション等の攻撃を考慮したサイト構築はできたけど、別のセキュリティホールを使って簡単にシステムが乗っ取られてしまった。
バックアップはOS上の別領域に保存していたが、HDD破損したためリストアできなくなった。
Webサイトのパフォーマンスが遅いと言われた。システムのチューニングはできるけど、CDNの導入はどうしよう?

数年前の記憶ですが、Webアプリケーションを開発する中堅企業のキーエンジニアから次のような愚痴を聞いたことがあります。
エンジニア:インフラ、物理サーバー、OSの立ち上げ、運用に対応できるエンジニアは少ない。だから自分の作業量が一向に減らない。
私:HTMLのコーダーやWordPressデザインに対応するエンジニアは十分いるのだから勉強してもらったら?
エンジニア:なかなか学習させるって大変。誰が教えるかと、(システム操作のための)コマンドラインはどうしたって敷居は高い。

このようにコマンドラインの学習はハードルが高いため、GUIの操作でOSの管理ができるPleskを導入することで、解決できます社内メンバーで分担して作業を進められるようになりブラウザでの操作だから学習時間の短縮が可能です。
また、マニュアルの作成も簡易化され、誰が見ても作業ができるというようなことまで実現できます。

2.ECサイト構築に向けたPleskの活用方法

サーバーエンジニアに任せっきりだったサーバー管理を、GUIによるPleskの操作画面を使って実現することで、ECサイトのベースのWeb/DBの確立だけでなく、メールサーバー/DNSの設定、システムアップデート等の作業も簡単に行えるようになります。

ECサイトにフォームはつきもので、それに伴い専用のメールアドレスの作成も必須です。サーバーエンジニアがいない場合、サーバー側でメールサーバー関連の作業はハードルが高く、そういった課題の解決にもつながります。

(例:メールアドレス登録画面)

EC制作会社必見!Pleskを使ったコスパの高いECサイト開発方法をご紹介!

また、コマンドラインのGUI化だけでなく、Pleskで使える機能は豊富です。GMOクラウドアカデミーのいくつかの記事を通して概要を理解していきましょう。はじめに、
「Web制作会社の増収について考える!Web制作会社にこそPleskを知ってもらいたい!」から読み始めてはいかがでしょうか。さらに、次の機能はとても便利な機能なので、必ず押さえておきましょう。
「ステージング環境とは?Webサイト運用におけるステージング環境で気をつけるべきポイントとは?」

ECサイトのメンテナンス、アップデートのために、ステージング環境が簡単な操作で準備できます。そして、容易に本番サイトに移行できます。Webサイト構築において、この機能だけでもPleskを使う価値があるはずです。

「SSL証明書の管理はこれで安心!Plesk拡張機能 [SSL It!] を詳しくご紹介!」

ECサイトですから当然HTTPS化は必須です。背後に存在する複雑な設定もGUIに隠れて楽ちんです。無償のサーバー証明書 Let's Encrypt はステージ環境にのみ設定し、本番環境は有償版サーバー証明書を提供することも可能です。

「WordPressの表示速度が625%改善!Pleskの拡張機能「Speed Kit」を使用してみた!」

ECサイトのレスポンス向上は、商品を販売する上で必要不可欠なことです。どれだけサイトの最適化を図っても、想定以上のアクセスが発生すると1台のサーバーだけで処理するのは難しくなります。PleskからCDNを活用し、画像、CSS、JavaScriptなどのスタティックなファイルの配信は別サーバーで処理してもらいましょう。特に、ECサイトは商品の画像を数多く持っているはずです。その処理は肩代わりてもらい、Pleskサーバー側では商品購入等のトランザクション処理に集中します。ちなみに、CDNを挿入するだけで、サイトのセキュリティレベルの向上にもつながるんです。

「無料で利用できるWAF「ModSecurity」を使ってWebサイトのセキュリティ対策をしよう。」

ECサイト上でシビアに扱わなければならないユーザー情報を守ろうと心がけていますか?日々新しい攻撃方法が生まれている現状では、常にアプリケーションロジックを守る仕組みの存在が望まれます。HTTPにコードを埋め込まれた既知の攻撃は、Web Application Firewall - WAFで守りましょう。

「【Acronis Backup for Plesk】システムトラブルから大切なデータを守る!バックアップ活用術をご紹介します!」

バックアップが重要なのは誰もが知っていますが、リモートバックアップとなるとバックアップ先となるストレージの用意に困ります。多少の追加コストで安全な外部ストレージに定期的なバックアップを行いましょう。
もし、リモートバックアップ先として利用可能なFTPサーバーやGoogleアカウントをお持ちであれば、Plesk標準機能でのバックアップも活用できます。

これらはPleskが提供する機能のほんの一部ものです。まずはPleskを導入しつつ、ECサイトビジネスに素早く、そして、継続して注力できるよう準備を整えましょう。

3.Pleskで補えない点

立ち上げたECサイトでお客さまのビジネス規模の拡大が見えたら心からうれしいですね。そうなれば、CDNだけでは処理できない大きなトラフィック、トランザクションをこなすシステム導入を考えていかなければなりません。新しいサーバーの用意、再構築を提案したいところですが、内部システムのチューニングと共に、メモリ増・CPU高速化も改善策の一つです。実のところ、システム予算を大きく増やせる顧客はそういないはずです。

ぜひサーバーのシステムリソースの増減が途中から可能なクラウドサービスを検討してみてください。GMOクラウド ALTUSであれば、Pleskが簡単に導入でき、さらにECサイト構築を考慮したPleskの拡張機能も含んだプランを提供しております。
また、無償で利用できる初期構築代行サービスがあるのは助かります。
無償サポートは当然ですが、社内リソースで対応が大変な構築作業が大幅に削減されます。構築だけでなく、運用の代行メニューも豊富に用意があるのも大きなメリットです。使わなければそれまでですが、起こるかもしれないリスクへの対応は常に考慮しましょう。

まだまだ新型コロナがいつ収束するかは見えません、こんな時期だからこそ、社内リソースをECサイト構築に注力するための"何か"を改めて考えてみましょう。

この記事を書いた人

鈴木隆之

某外資企業のエンジニアです。気がつけばもうシルバー世代。周囲にもっと歳をくってバリバリ働いている人ばかりで、がんばらないといけないですね。

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