2016.06.23

サーバー監視とは?具体的に何を監視すればいいですか?

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■質問者
ニックネーム:たのまれた さま
■質問内容
サーバーの構築を担当するように言われて、なんとかサーバーは作ろうとは思うのですが、いろいろ調べている中で、サーバーの監視が必要みたいなことが書かれていることがあります。しかしサーバー監視で調べても何かツールのようなものばかり出てきてしまい、それらもいろいろなことを書いていてよくわかりません。
サーバーの監視とは、結局何を見れば良いんですか?Pingとかコマンドもありましたが、たまにこれをやれば良いんですか?

サーバー監視の最大の目的は、「サーバーがサービスを提供できない状態を、サーバー管理者が早く知ること」です!


インターネットが普及した現在では、サーバーが提供するサービス範囲は広がり続けています。
社内向けの情報共有目的・企業紹介のためのWebサイト・ECサイトといった、企業が管理運営するサービスから、個人向けのWebサイト、SNSなどを提供するためのサービスもありますし、クラウドのような安価なインフラサービスを利用して、個人が自らサーバーサービスを提供しているケースも増えてきました。

一般的に、インターネットを利用して提供するサーバーサービスは、不特定多数の方を対象に情報を発信し、コミュニケーションを行うことが主な使い方になりますが、実際に対人同士で情報を発信したりコミュニケーションをとる場合との大きな違いは、時間を気にせずいつでも必要な時に、サービスが利用できるという点があります。

そうした場合、サービスを提供する側の方が気をつけなければいけないことは、サービスの利用者がいつでも必要な時に、サービスを利用することができる状態にしておかなければならないという点にあります。
とはいえ、サービス提供者の方は、サーバーやサービスに問題がないか、四六時中つきっきりで見ている訳にはいきません。そこで、サービス提供者/サーバー管理者に代わって、サーバーサービスが安定して提供できているか?を確認し、問題があった場合にいち早く伝える手段として、サーバー監視が重要になってきます。

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冒頭にありますように、サーバー監視の最大の目的は、「サーバーがサービスを提供できない状態を、サーバー管理者が早く知ること」にあります。では、サーバーがサービスを提供できているかどうか、を確認するためには、具体的にどのようなところを監視する必要があるのか?について、見ていきたいと思います。

インターネット上でサーバーサービスを提供する場合、基本的に以下の部分を確認することで、安定的にサービスを提供できているかどうか、確認することができます。

(1)サーバー自身が停止することなく動いているかどうか
(2)サーバーサービスを閲覧する方がストレスなくアクセスすることができるか
(3)サービスを提供するアプリケーションやプログラムが正常に動いているかどうか
(4)インターネットを介したアクセスができているかどうか

ひとつずつ見ていきましょう。

(1)サーバー自身が停止することなく動いているかどうか

(1)は、俗に言う死活監視に当たります。一般的には監視する側からPINGというコマンドを送り、一定期間に監視対象のサーバーから応答があるかないか、でサーバー自身が停止していないかどうか?を確認します。

(2)サーバーサービスを閲覧する方がストレスなくアクセスすることができるか

(2)は、主にサーバーの負荷状況を監視します。(1)でサーバーが正しく動作していることが確認できたとしても、レスポンスが非常に遅い場合、閲覧する方へのストレスになりますし、閲覧者離れを招くことになります。このようなことがないように、サーバー内部のリソース(CPU、メモリー、ハードディスク)の負荷状況を監視し、サーバー自身の負荷の高まりによって、サーバーサービスの提供レスポンスが影響を受けていないか?を確認します。

(3)サービスを提供するアプリケーションやプログラムが正常に動いているかどうか

(3)は、サーバーが提供しているサービスが正しく動作しているか?を確認します。一般的にはプログラムを動作させる「サービス」や、外部アクセスとプログラムの情報のやり取りを行う「ポート」を監視します。こちらも監視サーバーから一定の間隔で監視を行い、サーバーサービスを提供するためのプログラムが正しく動作していることを確認します。

(4)インターネットを介したアクセスができているかどうか

最後に(4)は、主にネットワークに関連する部分の監視です。外部の閲覧者の方は、インターネットを介してサーバーサービスを利用しますので、閲覧者からサーバーまでのネットワーク疎通に問題がないか?を確認します。これは(1)であげたPINGの監視を外部から行うこともありますし、サーバーサービスサイトのURLを監視して、閲覧者と同じようにURLにアクセスした時に、正しくサービスが表示されるか?といった監視があります。

このように見ていきますと、ひと口にサーバーの監視とはいえ、サーバーサービスを監視するために必要な監視項目がたくさんあることがお分かりいただけるのでは?と思います。
初めてサーバーサービスを運営したい方が監視を検討する場合、まず始めにPINGによる死活監視を想像される方は少なくないと思いますが、こう見ていきますとPING監視だけでは、必ずしもサーバーサービスの提供状態を全て確認することができるわけではないということがお分かりいただければと思います。

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さて、監視について重要な点は実はもうひとつあります。それはウィルスや外部からのサイバー攻撃に対する監視です。
最近でも、サイバー攻撃によって、あるサイトが攻撃を受けてサーバーやサービスの停止に追い込まれたり、WEBサイトの内容を書き換えられてしまったりということが起こっています。
個人情報漏洩といったニュースを聞くこともありますが、これも外部からのサイバー攻撃に起因するもののひとつです。これらの事象は、単にサーバーサービスの提供者が被害者となるというだけでなく、サーバーサービス利用者の利便性やイメージの悪化につながるだけでなく、利用者離れを招きます。

サイバー攻撃の怖い面は、攻撃対象になってしまったサーバーやサービスだけが影響を受けるのではなく、攻撃を受けたサーバーを仲介(踏み台)にして、また新たな別のサーバーへと攻撃が波及していくことにあります。
サイバー攻撃の被害者であったはずが、知らない間に攻撃者の手助けをしてしまっているということにもなるのです。このような外部からの攻撃に対して、管理運営するサーバーサービスが影響を受けていないかどうか?を監視することもとても重要な要素です。

いろいろとあげてきましたが、サーバー監視は、監視する箇所を増やせば増やすほどに、さまざまなサーバーの異常をいち早く確認することができる反面、やりすぎると逆にサーバーに負荷をかけてしまうことにもなりますし、外部の監視サービス提供を受ける場合、コストの増加につながります。

自ら管理運営しているサーバーサービスが、どのような性格のものであり、どのレベルのリスクから守るべきか?を整理したうえで、サーバー監視を検討されるとよろしいかと思います。

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この記事を書いた人

よしひろ

気が付いた時からずっとプリセールス。
普段難しいことばかり考えているので、この場ではこれからがんばっていこう!という皆さん向けに、わかりやすい記事を書いていきたいと思います。

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