個人向け、企業向けのクラウドサービスを利用する時代になりました。その基盤を構築するために欠かせないソフトウェアが多くあります。その1つが「CloudStack」です。今回はその特徴を解説します。
CloudStackとは?
日本CloudStackユーザー会の説明を引用すると、以下のように説明されています。
引用元:日本CloudStackユーザー会
いきなり言われても何か分からないという方のために、少し補足説明しましょう。
IaaSの代表的なオープンソースがCloudStack
IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略です。IaaSとはサーバーやCPU、ストレージなどのインフラリソースをサービスとして提供する形態です。
IaaSの代表的サービスには、米アマゾンの「Amazon EC2」があります。Amazon EC2の利用者は、アマゾンが提供するクラウド環境から必要な時に必要な分だけ自由に仮想サーバーを利用できます。Amazon EC2は、ユーザーの需要に合わせてサーバーの処理能力を柔軟に拡張、縮小することができます。
他の企業がAmazon EC2のようなサービスを提供しようと考えた場合、IaaSを実現できるようにする仕組みとして、クラウド基盤ソフトウェアが登場し始めました。そのソフトウェアの1つがCloudStackというわけです。
CloudStackを利用するメリット
現在、多くのクラウドでは「サーバー仮想化」という技術が多く使われています。その中核をなすのが「ハイパーバイザー」というソフトウェアです。物理的なマシンの中に仮想的なコンピューター(仮想マシン)を作り出し、実行する際に使用します。ハイパーバイザーには「VMware」「Hyper-V」「KVM」「Xen」などがあります。
CloudStackは、これら複数のハイパーバイザーを包括的に管理することができます。例えば、地理的に離れた場所にある複数のデータセンターのハイパーバイザーで動いている数千台のサーバーを管理可能です。
また、仮想マシンのネットワークやストレージなどの各設定を自動化できます。さらにスイッチやルータ、ロードバランサ、ファイアウォールなどのデータセンターを構成する機器を統合できます。
サービス事業者は、数千台のサーバーや大容量のストレージなどの複雑なシステム要素で構築する場合でも、完成度の高いパブリッククラウドを短期間で構築できます。また、ユーザーは手軽にIaaSを利用できます。システムの処理性能や拡張性などを柔軟に調整できる点も魅力の1つです。
IaaSクラウドの基盤となるソフトウェアには、現在、さまざまなオープンソースや商用版が存在します。その中でもCloudStackは、Amazon EC2のようなクラウドサービスの構築を可能するオープンソースです。