2018.09.04

FileMaker(ファイルメーカー)とは?初心者向けに解説!

難易度
1
カテゴリー
サーバー設定初心者向け

FileMaker00

皆さまこんにちは(。・ω・。)!GMOクラウドの田(でん)です。今回の「突撃となりのエンジニア」は、なんと社内を飛び出しまして、FileMaker(ファイルメーカー)に特化したシステム開発会社さん、株式会社バルーンヘルプのエンジニアさんである佐藤さんにお話を伺いました!

―佐藤さんについて教えてください。

田:佐藤さんの経歴を教えていただけますか?

佐藤さん:現在、株式会社バルーンヘルプで、開発エンジニアをやらせていただいておりますが、実は26歳くらいまではずっとバンド活動していました。接客が好きで、お店の店長をしばらくやっていたのですが、3.11をきっかけに地元である大阪に戻りました。そのタイミングで、回線事業会社のテクニカルサポートとして働きだしたのが、ITに触れたきっかけでしたね。

田:すごいさまざまな業種を経験してきたんですね。

佐藤さん:そうなんです。なので、IT業界に入ったのが結構遅かったんです。その分勉強もして、今はFileMakerの開発を提供する立場になりました。

田:努力家ですね!本日は、佐藤さんが普段仕事で使っているファイルメーカーについて、いろいろ教えてもらおうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

―FileMaker(ファイルメーカー)とはなんですか?

田:うちの会社は、インフラがメインなので、私自身ファイルメーカーは全然詳しくないのですが、ファイルメーカーとはなにか、分かりやすく教えていただけますか?
実は事前に少し調べてみたのですが、カスタム Appを作成できるようになるツールと書いてあってよく分かりませんでした・・・汗

佐藤さん:FileMakerプラットフォームは、リレーショナルデータベース(カスタムApp)を簡単に作れるようにするソフトウェアなんです。カスタムAppというとややこしく感じるかもしれませんが、業界用語でして、基本的にはリレーショナルデータベースと思っていただいて大丈夫です。
なので、簡単にいうと、FileMakerプラットフォームを使うと開発言語ができなくてもリレーショナルデータベースを使ったアプリケーションを簡単に作れるようになるということです。

田:なるほど!リレーショナルデータベースをカスタマイズするのに言語の知識が必要なので、言語の知識がない人でもリレーショナルデータベースを作れるということですね?
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佐藤さん:そうですね。これは、ローコード開発といいます。一から開発するのではなく、エクセルデータをドラッグ&ドロップしてデータベースとして作成することも可能だったりします。とりあえず始めてみよう!という敷居が低いので、個人で利用されている方も多いですね。

田:バルーンヘルプ社は、ファイルメーカーの受託開発をする会社と伺っているのですが、個人でファイルメーカーを利用している方も多いんですね。一般的にどのレベル感のものであれば、初心者の方の個人利用が可能なんでしょうか?

佐藤さん:仕様・設計といった仕組みはもちろんのこと、最も分かりやすいのは、ユーザーにとって使いやすいかどうかがはっきりと出るUI(ユーザーインターフェース)の部分ではないでしょうか。UIが入ってくるとだいぶ難易度が上がってくると思います。よくあるパターンで例えば・・・こんな感じでしょうか。

【UIなしキャプチャー】
UIなしキャプチャー
【UIありキャプチャー】
UIありキャプチャー

田:作り込もうと思えばここまで作り込めるんですね。奥が深そうです ・・・(゚ー゚;)

佐藤さん:そうですね。やり込もうと思えばいくらでもできちゃいます。システムのリプレイスや自社で内製したものを保守してほしいなど、相談いただくことが多いのですが、テーブル設計やリレーションの構築など、正規化できていないケースが多く見られます。その点は、他のデータベースと根本的な概念は大きく異なりません。そこが個人利用と受託開発を利用した際の大きな点ではないかと思います。
バルーンヘルプ佐藤氏
田:開発言語にたとえると、書き方が美しくなくて、そのうち限界が来てしまいそうなソースコードになっているみたいなことですか?

佐藤さん:そうですね。そのイメージに近いですね。こればかりは、データベースに関する専門知識がないと難しい部分になってきます。

―FileMaker(ファイルメーカー)の製品の種類について教えてください。

田:今回弊社のクラウドサーバー「ALTUS(アルタス) 」でFileMaker Serverのテンプレートを出したのですが、ファイルメーカーにもいろんな種類があると聞きました。それぞれでできることを教えていただけますか?

佐藤さん:まず、御社が今回リリースしたテンプレートでも使われている「FileMaker Server」ですが、これは、FileMakerで作成されたデータベースを5名以上で同時に共有するとき必要になってくるソフトウェアなんです。5名未満の場合は、サーバーがなくても共有が可能なんですが、人数が増えるとFileMaker Serverが必須になってきます。
データベースの運用・保守の観点から可能であれば利用ユーザー数に関わらずFileMaker Serverの導入をおすすめしています。

田:なるほど、ちょっとした部署間の共有とか、一緒に作業するのに必要なんですね。個人でなく、会社で利用することが多そうですね。他にはどんなものがあるんでしょうか。

佐藤さん:ちなみに現在最新のFileMaker ver.17から、クライアントのアプリケーションがFileMaker Pro Advancedに統一されたため、FileMakerの正式名称は「FileMaker Pro Advanced」になります。ユーザー側がPCで作業するならFileMaker Pro Advancedで良いんですが、モバイル端末からデータベースにアクセスしたい場合は、iOSアプリのFileMaker Goというものを利用する必要があります。

田:FileMaker Goはデータベースの作成とかもできるんですか?

佐藤さん:データベースなどの作成はあくまでFileMaker Pro Advanced を利用する必要があって、FileMaker Goは作られたものにアクセスするためのアプリですね。携帯で共有する場合でも、先ほども触れたように5人以上はFileMaker Serverの導入は必須になってきます。
あとは、ブラウザアクセスもできるんですが、それには、FileMaker WebDirectというサービスが必要になります。このサービスを利用するためにもFileMaker Serverが必須になります。

田:結構いろんな場面でFileMaker Serverの利用が必要になってくるんですね。

佐藤さん:そうですね。共有だけでなく、FileMaker Serverは、バックアップを自動的に取ってくれたりとか、管理用のコンソールがあったりするので、そういった観点から見てもデータベースを運用するなら、FileMaker Serverは基本的にFileMaker Pro Advancedとセットと考えた方がベターだと思います。

―FileMakerはどのような課題を持っている人におすすめなんでしょうか?

田:ファイルメーカーを企業で利用する場合、どのような形で利用されているのでしょうか?

佐藤さん:大きい企業さんは、別言語でのフルスクラッチやパッケージを導入するケースが多いかと思いますが、部署内の利用などでそこまで大きなシステムは必要ないという場合に使われることが多いですね。もちろん基幹システムとして利用することもあります。

田:会社の成長や環境に合わせて管理ツールも変わってきますもんね。ベンチャーだったころは、自分のエクセルでがんばってたけど、部署とかできてきたら、ファイルメーカーを使って管理しやすくして、会社規模が大きくなったら、高額だけど、既成のシステムを使う必要が出てきたり・・・専門の人がやめてしまって、専門じゃない自分が見ても分かるものに変えたり・・・

佐藤さん:そうですね。会社の成長に伴って、IT予算や環境も変わってきますし、最適なシステムが変わってきますので、用途と規模次第で、導入までの期間が短いFileMakerという選択肢が出てきます。

―FileMaker(ファイルメーカー)の強みを教えてください。

田:大企業などは既成のシステムなどが向いているという話もありましたが、ファイルメーカーを利用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

佐藤さん:まず、価格がだいぶ抑えられると思います。いわゆる既成の基幹システムは普通に千万単位~高額なものですと億単位もしますから、本当に大企業じゃないとなかなか手が出ないですね。また、既成のシステムが業務と仕様的にフィットしないとなると、開発費用もかかってきますので、それだけでも追加で何千万とかかってしまうケースも多いようです。

田:基幹システムすごい高いですね・・・。確かに導入できる企業は限られそうです。

佐藤さん:あとは、先ほども少し触れましたが、導入までの期間が短いのも特長です。開発言語を使って開発するわけではないので、納期も比較的に短く見積もることが可能です。

田:なるほど、プロの方でも言語を使った開発だと時間がかかりますもんね。確かに導入期間が短くて、コストも抑えられるのは、うれしいですね。
他にもファイルメーカーに似たようなサービスとかあると思うんですが、ファイルメーカーならではの強みってありますか?

佐藤さん:比較される製品として、キントーンとか、ZOHOとか結構比べられることはありますね。やっぱり、開発画面とユーザーが見る画面がシームレスなので、この点でかなうものはなかなかないのではないかと思います。
開発する側からするととても開発しやすいですし、ユーザー視点で見てもユーザービリティーがとても高いことが一番の強みだと思います。
一般的には開発を始める前に分厚い要件定義書が作られることが多いんですが、作っていく段階で、ものを見てみたらやっぱりこうしたいとか、ここを変えたいとか結構出てくるんですよ。そうなったときに改修とかすごく大変なんですが、FileMakerはアジャイル開発なので臨機応変にできるのが、重宝されるポイントでもあると思いますね。→

田:確かに途中から改修とかつらそうですよね。そこが比較的柔軟に対応できる簡単にできるのは、ユーザーにとってもうれしいですよね。

佐藤さん:そうですね!あとは、マルチプラットフォームなのも大きいと思います。WindowsやMacOS、 iOS、ブラウザでも大丈夫なので、デバイスを選ばない点はとても便利ですね。

田:今のご時世、マルチデバイスで使えるのは、確かに使う側からしてみたらとても助かりますね。

本日は、ご協力いただいて、ありがとうございました!私自身もだいぶファイルメーカーに関する理解を深められてうれしいです!またなにか機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

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GMOクラウド田とバルーンヘルプ佐藤氏

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本日ご協力いただきましたバルーンヘルプさんに関するご紹介

FileMakerに特化したコンサルティング、システム開発を提供し続けて20年。経験豊富なスタッフがお客さまに最適なライセンスのご提案、環境構築・システム導入等幅広くサポートいたします。FileMakerのことならFBA Platinum Partnerのバルーンヘルプへご相談ください。

この記事を書いた人

田(でん) GMOグローバルサイン・HD

2012年に総合職として入社後、お客様サービス部や技術部に所属し、
多くの時間を技術関連の部署で過ごしてきました。
これまで培ってきた知識を、マーケティング業務に生かしてまいります!
プライベートでは、音楽をやったり、webデザイン(html,css,jQueryなど)の勉強をしたりしています(。・ω・。)

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