2021.10.20

5つの用途別に考えるクラウド移行時の選定ポイント

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5つの用途別に考えるクラウド移行時の選定ポイント

クラウドの普及により、これまで運用してきたオンプレミスのサーバーのクラウド化を検討する企業が急増しています。以下では、サーバーのクラウド移行を検討する上での用途別のポイントを解説いたします。

目次
  1. ・パブリッククラウドか、プライベートクラウドか
  2. ・オンプレサーバーのクラウド化: 5つの用途を解説
    1. ・①Webサイト
    2. ・②Webアプリケーション
    3. ・③業務システム
    4. ・④ファイルサーバー
      1. ・(1)一方的な利用停止リスク
      2. ・(2)使い勝手
      3. ・(3)セキュリティ
  3. ・まとめ

パブリッククラウドか、プライベートクラウドか

オンプレミスからクラウドへサーバーを移行する際に考慮する上での、最初のポイントは「パブリッククラウドか、プライベートクラウドか」です。

パブリッククラウドは「サーバーのリソースを専有せずに共用するサービス」です。これに対し、プライベートクラウドは「サーバーのリソースを専有して利用するサービス」です。

  • ・パブリッククラウドは「即利用可能」「コストが安価」「インフラ面の管理不要」というメリットがある反面、「リソース共有のため他ユーザーの負荷増加の影響を受ける」「独自のセキュリティ要件を満たせない」といったデメリットもあります。
  • ・プライベートクラウドは逆で、「リソース専有で安定稼働」「独自のセキュリティ要件対応可能」といったメリットがある反面、「利用までに時間がかかる」「コストがやや高額」「(契約によっては)インフラ面の管理が必要」というデメリットがある場合もあります。

コストと運用の最適化を考える上で、パブリッククラウドが良い、プライベートクラウドが良いなどといった絶対的な解はありません。よって、用途に合わせて検討を行う必要があります。以下の5つの用途を参考にしていただければ幸いです。

オンプレサーバーのクラウド化: 5つの用途を解説

オンプレサーバーのクラウド化: 5つの用途を解説

クラウド化の用途①:Webサイト

こちらは、「コーポレートサイト」「ECサイト」「キャンペーンサイト」「オウンドメディア」などのWebサイト用途です。

Webサイトは、一般的に平時のアクセス数は予測可能です。しかし、「キャンペーンで広告を大量に投下」「SNSでバズった」場合などは、通常の数十倍、数百倍のアクセスが考えられます。このため、Webサイトを「必要なリソースを必要なタイミングで追加できる」パブリッククラウドで運用するのは親和性が高いと言えます。

なお当社では、「ALTUS byGMO」として提供しています。データ転送量無料でコストメリットが大きいBasicシリーズは特にキャンペーンサイトなどアクセスの変動が想定される場合におすすめです。

さらに月額固定費用でVLAN環境が標準搭載されているIsolateシリーズはそのセキュリティの高さからECサイトなどの顧客情報が含まれる場合におすすめです。

クラウド化の用途②: Webアプリケーション

SaaSなど、Web経由で提供するサービスの運用基盤としての用途です。

特に法人向けSaaSの場合、SLAが設定されているなどサービスの信頼性は非常に重要なため、できるだけ高い可用性を実現する必要があります。

高い可用性を実現するためには、より安定稼働が可能なクラウドサービスを選ぶ必要があります。「ある程度落ちても問題ないサービス」ではなく、「落ちると顧客の業務に著しい影響があるサービス」の場合は、特に重要です。

また、Webアプリケーションの場合、サーバー集約によるコストメリットは、パブリッククラウドよりもプライベートクラウドのほうが、効果が高い場合があります。このため、コストパフォーマンスと安定性の高いプライベートクラウドを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

当社で提供する「GMOクラウドPrivate」は、ほぼカスタマイズが行えないパブリッククラウドのIaaSと異なり、高いカスタマイズ性があり、さらにはプライベートクラウドならではの安定性を誇ります。よって、高いカスタマイズ性と信頼性を求められる環境において最適な選択肢となります。さらに、データ転送量も不要の月額固定課金であるため、予算計画の面でもメリットがあります。

さらに、マネージドサービス(代行サービス)も利用できるため、運用負荷を軽減し開発に集中できる点もメリットと言えます。

クラウド化の用途③:業務システム

自社のみで利用する社内システム運用基盤としての用途です。

社内システムの場合、対顧客向けのシステムではないのでSLAは設定されていないが、可用性の内部的な目標値を設けており、その達成をKPIとしているケースが多くあります。また、可用性が低い場合はユーザー部門からクレームが相次ぎ、システム部門の社内的な立場にも影響するため、社外向けシステムと同程度の可用性確保を前提とするシステムが多いと考えられます。

さらに古いシステムの移行や独自のシステムの場合には、インフラのカスタマイズ性が大切になってきます。例えば、一般的なパブリッククラウドが提供するSLAを上回る、高い可用性を確保したい場合や、オンプレミスとクラウドの高可用性を維持しつつ連携するといったニーズです。

これらを考慮した上での選択肢として、当社が提供するカスタマイズ性満足度No.1の「GMOクラウドPrivate」がおすすめです。高いカスタマイズ性と安定性が期待できます。

GMOクラウドPrivateでは、お客さまが「高可用性確保のため、GMOクラウドPrivateと、オンプレミスで稼働中の物理サーバーを連携させたい」という場合、当社DCに物理サーバーを持ち込んでDC内で連携させることも可能です。このため、運用における柔軟性が少ない大手パブリッククラウドと異なり、お客さまが望むカスタマイズ環境を実現できます。

クラウド化の用途④:ファイルサーバー

オンプレミスのファイルサーバーを検討する上で、「オンラインストレージ」への移行を検討される企業も多いかと思います。オンラインストレージを利用する場合、導入前に注意すべきポイントが3つあります。

(1) 一方的な利用停止リスク

海外のオンラインストレージは、ユーザーのファイルを巡回し、疑わしいファイルがあったら一方的にアカウントを停止します。例えば、「研究者が『装甲車の歴史』というドキュメントをオンラインストレージにアップしていたら、おそらくテロリストだろうと勘違いされ、アカウントが一方的に停止された」という事件が話題になりました

なお、この事件では「研究者がコミュニティで声を上げて、それが大きく報道された」ため、アカウント停止は短期間で解除されました。しかし、利用規約上では、オンラインストレージ提供企業は、ユーザーアカウントの一方的な停止が可能であり、過去には「何度声を上げてもアカウント停止が解除されなかった」という例も多数あります。

「必要な情報に一切にアクセスできなくなる可能性が常にある」。これは、オンラインストレージを利用する上で最もリスクとなるポイントです。

(2)使い勝手

使い勝手を考える上でのヒントは下記2点です。

  • ・これまでのファイルサーバーと同様の使い勝手か
  • ・ファイルの直接編集が可能か

まず、ファイル操作を通常のファイル利用画面(Explorerなど)から利用できる場合は、これまでと使い勝手の変化がありませんが、ブラウザ利用が前提となると、使い勝手が大きく損なわれます。

またオンラインストレージ上のファイルを編集する場合、一旦、ローカルPCへのダウンロードを必要とするサービスがあります。直接編集ができないため、無駄な手間が発生すると同時にローカルPCのストレージ容量を圧迫することになるため、使い勝手が損なわれます。

(3) セキュリティ

社内の機密性が高い情報をクラウド上で共有する際、「IDとパスワードのみで利用できるオンラインストレージよりもセキュリティが高いサービスを利用したい」という高いニーズがあります。

こうしたニーズを持つ企業においては、オンラインストレージは最適な選択肢ではありません。主なオンラインストレージはVPN接続を必須としていないケースが多いためです。

誰もがhttpsでアクセスできる入口へ専用IDを使って入室するオンラインストレージと、VPNでしかアクセスできない入口へ専用IDを使って入室するサービスでは、ハッキングに対する強度の差は歴然だからです。

「アカウント停止リスク」「使い勝手」「VPN」という3点のうち、いずれかをクラウドストレージ選択の判断基準とされる場合は、当社が提供するクラウド型ファイルサーバー「ファイル執事」のようなクラウド型ファイルサーバーサービスの利用を推奨します。国内にデータを置き、サービス提供者がユーザーアカウントを一方的に停止することなく、これまでの使い勝手を維持できます。また、VPN接続必須という要件にも対応可能であるためです。

クラウド化の用途⑤:開発・テスト環境

これまでお伝えした4つの用途で「オンプレミスサーバーのクラウド化」を検討する場合の開発環境(本番環境ではない)として、利用を検討する場合です。

この際に重要となる観点は以下の通りです。

  • ・開発中のアプリやテストデータのセキュリティ
  • ・開発コストの管理性(極端な上振れを回避したい)
  • ・専用の物理サーバーとの連携など、カスタマイズ可能な開発環境

これらを考慮すると、「パブリッククラウドよりもセキュリティが高く、固定料金で利用でき、かつカスタマイズ可能な開発環境を実現するプライベートクラウド」にメリットあります。当社では、GMOクラウドPrivateとして、上記を満たすサービスを提供しています。

なお、「スピード感を持った開発」「構築と削除を繰り返す開発環境」「一時利用が多く、固定料金だと逆にコストが高くなる」場合は、パブリッククラウドのほうが向いていると言えるでしょう。当社では「ALTUS byGMO」として提供を行っています。

まとめ

以上、オンプレミスサーバーをクラウド化する上でのポイントを用途ごとに解説いたしました。ポイントを絞って解説をいたしましたが、実際にクラウド移行を考慮する上では、より多くのポイントがあり、これほど単純ではないのもまた事実です。

当社は、お客さま企業のクラウド化を支援するためのサービスを多数提供しています(上記でご紹介したサービス以外にも多数のサービスがあります)。ぜひお問い合わせいただき、貴社が実現したい内容をお気軽にご相談ください。クラウド移行に経験豊富な当社チームメンバーより、最適なプランを提案させていただきます。

GMOクラウドPrivate

この記事を書いた人

村岡英一

ユニファイ株式会社代表取締役。IT企業のコンテンツマーケティングに特化し、上場企業からスタートアップまで幅広く支援。慶應義塾大学、日本マイクロソフト、ブランコジャパン(フィンランド系IT企業)を経て現職。

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