2019.12.10

Web制作会社必見!Pleskを使ったおいしいホスティングサービスの提供方法とは?

難易度
1
カテゴリー
Plesk(サーバー管理ツール)

Pleskhosting

皆さま、こんにちは。鈴木です。9月末から1週間ほどアメリカに出張に行ってきました。勤めている会社で実施された技術トレーニングの受講が目的です。海外出張の度に思うのですが、日本のレストランチェーン店のメニューは良くできていると思いませんか?同僚と入った現地レストランで、メニューを見てもサクッと食べたいものがいつも見つけられません。なんとなくこれにしようという気持ちも起こらないまま、海外経験の少なさ、自分の英語スキルの低さを恨むばかり。とはいえ、ビールだけは地元のなにかを選び、同僚の選択を横目で見つつ、飯にはありつけました。

さて、前回の記事では、Web製作会社が定期的な収益の獲得、もしくは、運用コスト削減による既存ビジネスへの注力について説明しました。

今回はより具体的に、Pleskによるホスティングサービスの中身について、2回に分けて考えてみたいと思います。知識がなければ選択は難しくなるばかりですが、今の企業におけるビジネスの方向性を切り口に、Pleskホスティングの内容も自社にあったものを選択できるようにできると良いですね。

目次
Pleskホスティングで何が実現するのか?
最適な選択のためにPleskのエディションへの理解を深めておこう
Pleskによるシンプルなホスティングプランの実現
さいごに

Pleskホスティングで何が実現するのか?

Pleskでのホスティングとは言いますが、Pleskを売るわけではありません。Pleskを利用することで、サーバー運用における手間を減らすことができるわけですが、企業が最適な収益を得るには、エンドユーザーのお客さまが納得して支払いをするだけのサービス提案、ホスティング提案が必要です。
その提案内容によりPleskの設定方針が変わってきます。でも、より顧客単価増のための魅力的なホスティングサービス提案がメンバーのリソースを必要以上に消費するのは本末転倒です。
前回記事では次の計算式を提示し、概算利益の考え方を示しました。
企業はPlesk導入によるメンテナンス費(3)の削減に注力して、従来のビジネスに注力することを想定しますか?
それともメンテナンス費用(3)が増加しても、顧客数(1),顧客当たりのサービス費用(2)の増加を求めますか?

総月額管理コンテンツの総額

その選択によって、Pleskの活用方針が変わってきます。そこで、今回含め、二回に分けて、次の内容について具体案を示していきたいと思います。
前者を選ばれる場合は(A)を、後者には(B)の利用方法をお勧めしたいと思います。

(A)シンプルなホスティングプランの提案・・・Pleskの存在を見せずに、ホスティングサービスを実現し、運用コストの削減を実現します。Pleskホスティングを初めて利用する企業にとって導入しやすいプランです。少ない客数を想定します。

(B)Pleskの機能を前面に出したホスティングプランの提案・・・お客さまにPleskを使ってもらいつつ、Pleskの多様な機能を前面に出します。より多くの客数を想定します。

最適な選択のためにPleskのエディションへの理解を深めておこう

プランの話を進める前に、Pleskのライセンスモデルについて事前に理解してほしく、ちょっと寄り道をします。ご承知のようにPleskは有償ソフトウェアで、ライセンスは次の3タイプに分かれます。機能差に特化した下記表をご覧ください。左のWeb Admin Editionが一番安く、機能制限されているライセンスです。右に進むほど扱えるドメイン数、機能が増えます。

web hostin pro edition

ドメイン数が多ければ、1サーバーーに載せるドメイン数=顧客数が増えるので、1顧客あたりのコストを小さく済みます。そして、顧客・契約管理機能を持つライセンスでは、お客さま自身でPleskの設定=Webサーバー・データベースの設定、メールアカウントを直接管理する自由度が与えられます。

しかし、顧客が多ければ、当然ユーザーサポートの機会も増えるので、十分に運用コストと売り上げとのトレードオフを考慮する必要があります。

また、Web製作会社におけるWebコンテンツ支援機能も重要なポイントです。特に、WordPressのニーズが高い昨今では、WordPress Toolkitは取り入れたいところです。

自身にもっとも最適なライセンスを選ぶことはとても大切なことです。目指している方針にもっとも近づけられるライセンスを選ぶようにしましょう。

Pleskによるシンプルなホスティングプランの実現

(A)のシンプルなホスティングプランはどのようなサービスをお客さまに提示すればよいでしょうか?
至って簡単です。とにかくWebコンテンツさえ安定して配信できればいいのです。お客さまにはPleskの存在すら知らせず、(企業の)Plesk管理者が、エンドユーザーのお客さま向けに作ったコンテンツをPleskサーバーー経由で配信すればいいのです。

この場合、Web Admin Edition のライセンスを利用し、最大10顧客の異なるドメインをPleskサーバーーに載せて配信する最小設定から始められます。

私が過去Pleskを利用しているWeb制作会社さんからお聞きしたことですが、そこでは、高級マンションが立ち上がる度、異なるデベロッパーからの依頼でマンションのその紹介を行うサイトを構築するそうです。サイトごとに新しいドメインでのWebコンテンツ配信ができれば十分なので、Web Admin Editionを多数利用されていたようです。

もちろん、これは単なる例ですが、ビジネスの企画ごとに新ドメインによるサイト構築の要望は多数あります。コンテンツ配信という観点では、お客さま要望はシンプルです。そこへ、Pleskによる新しい提案ができるはずです。

Plesk 画面

非常にシンプルなライセンスではあるのですが、もう少し賢く Web Admin Edition の機能を使い倒して、顧客単価を上げるための付加価値サービスも合わせて提供しましょう。

・エンドユーザードメインのメールサービスの提供 - 知らせていただいたユーザー情報を、代行してPleskへ登録します。お客さまは、自身のメールソフトに、メールアカウント情報を登録さえすれば利用いただけます。ただし、メールアカウントの登録数には数の制限は持つべきでしょう。

・また、作成したメールアカウントごとにPleskへのログイン許可を与えることができます。その権限をもったメールアカウントは、Pleskへログインして自身のメールアカウントのパスワード変更、転送設定、エイリアス、休暇時の自動応答メッセージの変更を実施することが可能です。

Plesk 画面


・FTPアカウントの提供 - 対象ドメインに限ったアクセス可能な ftpログイン情報を提供します。お客さまは、自身のftpツールに ftp アカウント情報を登録すれば、対象ドメインのコンテンツを自身で更新することが可能です。

・WordPressの管理パネルへのアクセス権限を提供 - WordPress管理パネルのログイン情報を提供することによって、エンドユーザーのお客さまは、自身で WordPress内のコンテンツの更新が可能です。

また、Web制作会社さまはできれば、Pleskの「WordPress Toolkit」機能を導入して、さらなる運用コストの軽減を目指すことをおすすめします。WordPress Toolkitを利用することで、WordPressのワンクリックインストールだけでなく、PHPやWordPressのバージョン管理、Webサイトのテスト環境の複製・本番適用が簡単に行うことができるようになります。使い始めたら離せなくなる便利な開発支援ツールをではありますが、残念ながらWeb Admin Edition(10ドメイン)の標準機能には含まれませんが、追加で購入することができますので、選択肢の一つとして検討するのも良いと思います。

さらに、ベースとなるWebコンテンツ、メールサービスまで提供するわけですから、これでも十分なホスティングサービスと言えますが、さらに次のような機能提供を行うことも可能です。もっと機能を絞るのもいいでしょう。

・Let's Encrypt(無料SSL)によるhttpsサポートのWebサイトの提供
・RoundcubeによるWebメールサービスの提供
・ModSecurityによるWAFサービスの提供

エンドユーザーさまは、直接これらのPleskの設定を変更できないので、企業のPlesk管理者がその要望を聞きつつ、設定の適用を進めていく必要があります。
提案の仕方として、Webコンテンツの配信はデフォルトの機能、それ以外は個別でオプションの機能として紹介するのもよいと思います。

さいごに

さて、管理者がPlesk設定のすべてを行うので管理コストが増えるのが心配とも考えもあるでしょう。実はそうでもないのです。そもそも新規顧客向けの初期設定は必ず必要な作業として存在し、避けることはできません。
それよりも重視すべきは、長期的な運用を考慮したとき、ユーザーからの問い合わせをどれだけ削減できるかに尽きます。エンドユーザーのお客さまから見れば、サービス提供企業のPlesk管理者がエンドユーザーのお客さまにかわって操作を行うため、企業側に対する下手な問い合わせを極力抑えることが可能になります。初めてPleskホスティングを始める企業にとって、サポートコストを抑える意義は非常に大きいものでしょう。

まずは試してみたいという方へ

お手軽の試してみるならば、15日間無料のGMOクラウドVPS + Plesk Onyxで、始めてみるのもいいでしょう。
Web Admin Edition(10ドメイン版) でありながら、WordPress Toolkitを含むバックアッププランを選択すれば、お客さま向けWordPressサイトの開発に大変役立ちます。上記プランを利用することで、通常Pleskを経由して購入するより約30%お得で、請求もGMOクラウドに統一されます。

また、Acronis Backup による遠隔オプションサービスプランを考慮するのも付加価値を追加することができます。Pleskによるシンプルなホスティングプランの実現は、比較的敷居が低いものです。ぜひ試してみてください。

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この記事を書いた人

鈴木隆之

某外資企業のエンジニアです。気がつけばもうシルバー世代。周囲にもっと歳をくってバリバリ働いている人ばかりで、がんばらないといけないですね。

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