2020.11.13

クラウドでも大容量ストレージを使いたい!大容量ストレージを使う上での注意点とその対策をお教えします。

難易度
1
カテゴリー
GMOクラウドを活用しよう!

Storage1

昨今、リモートワーク需要などの後押しにより、社内にあるサーバーをクラウドに移すことを検討された方も多いと思います。
日々の業務の中心をクラウド上に持っていこうとすると、どうしても「今まで社内に保管していた大量のデータをクラウド上でどうやって扱うか」という問題が付きまといます。
そして、ストレージは大容量のものである必要も出てきます。

社内のデータを全部クラウド上に持っていこうとすると、「意外とコストが高い」「クラウド上でのファイルストレージの構築・管理が面倒」などと悩まれている方もいるのではないでしょうか?

今回は「大容量」のストレージをクラウド上で使う上での注意点をいくつか説明し、その解決策も紹介していきたいと思います。

目次
クラウド上で大容量のストレージを使う上での注意点
①データの性質を考えて複数のストレージを使い分けよう
②データを共有する場合は共有可能なストレージサービスを使おう
課題を解決する大容量利用向け専用ファイルストレージとは?

クラウド上で大容量のストレージを使う上での注意点

大容量ストレージをクラウド上で利用する際、注意点がいくつかありますので、ここで具体的に紹介していきます。

①データの性質を考えて複数のストレージを使い分けよう

まず、クラウド上でストレージを使う場合の注意点として、クラウド上のストレージはクラウドで起こるさまざまな障害に耐えつつ、VM(仮想サーバー)のさまざまな使い方に不足ない速度を確保するように構築されているため、どうしてもPCやサーバーで使われるストレージよりコストが高くなりがちです。また、VMを停止していても料金は発生し続けますので注意が必要です。

一般的には1TBあたり月に数万円程度の料金がかかるため、社内のファイルストレージなどと同じ感覚でクラウド上のストレージを利用すると非常にコストが高くついてしまいます。

この問題に対するお勧めの対策としては、データの参照・書き込みなどに要求される速度やデータサイズによってストレージを使い分けることです。

クラウドサービスによっては、HDDやSSDおよびネットワークを介するNASなど、ストレージの速度によって価格の違う複数のストレージを提供している場合がありますので、クラウドストレージを正しく選ぶことでコストを抑えることができます。

複数種類のストレージを活用する例として、データベースのような高速なアクセスが必要なファイル群には高速なストレージ上に配置し、ドキュメント群のような速度はそれほど求められないものを低速なストレージに配置することにより、全体のストレージにかかるコストを抑えることが可能になります。

また、データの蓄積に特化した低速・安価なストレージサービスを利用することで、コストを大幅に抑えられる場合もあります。

これらを有効に使い分けるために、クラウドにサーバーを移設する際には「どのようなデータがあるのか」、「サイズの大きいデータを安価なストレージに退避することが可能か」を検討した上で、ストレージの使い分けをすることをお勧めします。

②データを共有する場合は共有可能なストレージサービスを使おう

大容量のストレージを使い、大量のデータを蓄積する場合には、一つのVMからアクセスするのではなく複数のVMや複数のユーザーが同時にアクセス可能にするような使い方をすることがあります。

このような場合は、1台のVM上に大容量のストレージを割り当て、そのVM上でNFSやSambaなどのファイルサーバーを構築することになりますが、ファイルサーバーを自前でしっかりと構築・運用するのは大変な作業です。

大容量ゆえに大事なデータが大量にあるため、バックアップや監視や復旧の枠組みを整えるのは非常に重要ですが、ノウハウを持ってない方が1からやるには難しい作業となります。

この問題に対しては、ご利用されるクラウドサービスがファイルストレージやオブジェクトストレージなど共有可能なストレージサービスを提供している場合、解決ができますので、そういったサービスを活用することをお勧めします。

これらのストレージサービスでは、バックアップや監視などの枠組みは既に整えられているため、後は簡単な設定だけでそれらを使うことが可能になっています。
設定も非常に簡単な設定画面が用意されていることが多く、苦労することはないと思います。

価格についてはフルマネージドか否か、ストレージの速度などに応じて、ばらつきがありますが、VM用のストレージと比べても決して高くありません。特にデータの蓄積に特化した低速・安価なものを選択した場合は、大きくストレージのコストを下げることも可能です。

ただし、共有可能なストレージサービスを使うにあたり1点ほど注意することがあります。
これらのストレージへのアクセスには通信が発生しますが、その通信がインターネットを経由する場合は帯域をひっ迫し、転送速度が予想以上に出ない場合もあります。それだけでなく、別途通信料が発生することがあります。

このため、なるべく通信がインターネットを経由しないクラウド事業者が提供しているストレージサービスを使うことをお勧めします。

課題解決する大容量利用向け専用ファイルストレージとは?

弊社のプライベートクラウド『GMOクラウド Private』やハウジングサービスでは、前述の注意点を解決策の1つとして「専用ファイルストレージサービス」を提供しています。

このサービスの特徴は、共有可能なファイルストレージとしてNAS(network attached storage)を丸ごと1台ユーザーに貸し出すことと安価に大容量のストレージを使える点にあります。

月額45,000円(税抜)で8TB(RAID1構成時)ないし16TB(RAID0構成時)の容量が使えるのでクラウド上のストレージとしては非常に安く利用可能です。

NASを使った提供となるため、VMのストレージよりはアクセス速度は低下しますが、安価に大容量のストレージを使いたい場合には、とても便利なサービスとなっています。

このサービスでは、NASの管理画面をそのままユーザーにお渡しするため、お客さまはNASに用意された監視や管理の各種機能を利用可能です。
NASの管理画面はオフィスなどで使われる一般的なNAS製品と同等なため、今まで社内でファイルサーバーを使っていたユーザーにとって は利用も簡単になっています。
また、弊社がハードウエアの監視・故障対応を行うため、お客さまはNASの管理画面でできる範囲の管理に専念できます。

設定の自由度も高く、RAID1で安全性を高めた運用や、RAID0構成を取って1台の容量を大きくする代わりにNASを2台契約して1台をレプリケーション先にするなど、ユーザーの利用方法に合わせた運用構成も可能になっています。

NASは、以下の図のようにVMとはローカル回線を使って接続されます。
VMからNASへの通信は、インターネットを経由しないため、通信量は発生せずインターネットとの帯域をひっ迫することなくアクセスすることが可能です。

ただし、この状態では外部からのアクセスはできないため、外部からアクセスしたい場合はVMを踏み台にしていただくか「VLAN追加」サービスを利用して外部から接続可能な状態にする必要があります。

プライベートクラウドの仕組み

このように、大容量な共有可能なストレージを安価に使えて管理も比較的簡単なとても便利なサービスになっております。
以上、いかがでしょうか?
本記事が、少しでもストレージに関する知識およびクラウド化を検討する際の参考になれば幸いです。

社内サーバーのクラウド化を検討する上でご興味があれば、ぜひまずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせ

この記事を書いた人

クラウド推進チーム

GMOグローバルサイン・HDがお客さまに提供する価値は『コトをITで変えていく。』です。
クラウド推進チームはこの価値を提供するためのチームです。
このブログでは、お客さまにとって有益なクラウド情報を発信してまいります。

GMOクラウドアカデミーYouTubeチャンネルはこちらから

アカデミー用バナー

メルマガ会員募集中!

アカデミーの最新情報や会員限定のお得な情報をお届けします。

メルマガ登録はこちら