■はじめに
昨今、手軽な開発環境の調達やクライアント用のシステム構築・運用などにAWSを使い始める人が増えています。初めてAWSを導入する前に必ず押さえておきたいのが、AWSのお支払い方法です。当記事では、AWS初心者の目線で、AWSの利用料のお支払い方法をわかりやすくご紹介します。
■AWSの請求の注意点とは?
AWSは従量課金制なので、利用月の翌月以降の「後払い」となります。原則、「米国ドル(USD)」で請求されますが、AWSの管理者画面でお支払い通貨を変更可。ただし、一部サービスは、米国ドル建ての請求のみとなりますので、注意が必要です。
[参照]
AWS,「アカウント・請求関連のご質問」
AWS,「米国ドル (USD) 以外の通貨で支払えますか?」
■AWSのお支払い方法
AWSの利用料の「お支払い方法」は、4種類から選べます。ここでは、それぞれの特徴を紹介していきます。
(1)AWSのお支払い方法「クレジットカード決済」
法人・個人共に選べるお支払い方法に「クレジットカード決済」があります。これには、デビットカードも含まれます。ご自身の、または法人クレジットカードを用意して、AWSの請求額をお支払いすることになります。
AWSの公式サイトによると、クレジットカードの種類は"有効なクレジットカード、デビットカード共にVisa、MasterCard、American Express、Discover、JCB、または China Union Pay"とあります。その中でも、お支払い通貨変更による日本円払いに対応しているのは、Visa、MasterCardのみとなります。
クレジットカード決済を選択した場合、以下の3点に留意しましょう。AWSのお支払いが滞ると、望まないサービス停止に至る原因となります。
1. AWSの利用料が増えることを想定して、十分な与信枠を確保する
2. クレジットカードの有効期限まで余裕がある、または自動更新される
3. 法人の場合、社内稟議で承認された法人クレジットカードの利用期間、利用金額に余裕がある
(2)AWSのお支払い方法「海外送金」
AWSの利用料が一定金額(目安は、月2,000ドル程度)を超える場合、AWS口座へ入金するお支払い方法を選べます。具体的には、海外送金によるお支払いです。米ドルによる海外送金を手配する必要があります。法人・個人共に利用可です。
国内の銀行振込に比べると、海外送金の諸手数料は割高です。例えば、三井住友銀行の円普通預金から出金し、外貨建てで送金される場合、送金資金のほかに、為替手数料や海外送金手数料が必要です。
海外送金手数料
同行の海外支店/現地法人/連携銀行宛て | 3,000円/件 |
海外他行宛て | 3,500円/件 |
※SMBCダイレクトご利用時(2023年1月時点)。
※消費税は非課税です。他の手数料は、公式サイトにてご確認ください。
※参照「三井住友銀行 海外送金」
国内の銀行振込と違い、送金手配から指定口座に入金されるまで日数を要します。AWSへのお支払い方法として海外送金を選択する場合、時間に余裕をもって、毎月のお支払い手続きを処理する必要があります。法人の場合は、経理担当者ときちんと調整しましょう。
(3)AWSのお支払い方法「ACH 銀行デビット」
AWSが定める利用資格要件を満たしていれば、「ACH 銀行デビット」によるお支払い方法を利用できます。ACH 銀行デビットとは、米国内のACH可能な銀行口座からAWSの利用料(米国ドル)が引き落とされる仕組みです。個人・法人共に利用可です。米国に銀行口座を保有していることに加え、ACH 銀行デビットの利用資格要件は、以下のとおりです。
引用元:AWS 「支払い方法 (ACH 銀行デビット) の管理」(2021年4月)
(4)AWSのお支払い方法「銀行振込(AWSパートナー経由でお支払い)」
最近注目されているのが、「AWSパートナー経由でお支払い」です。国内拠点を持つ法人向けサービスを提供するのは、AWSパートナーネットワーク(APN)に参加する一部のAWSパートナーです。よく「AWS請求代行」「AWSリセール」「AWS支払い代行」などと呼ばれています。AWSパートナー経由でのお支払いが人気の理由は、「日本円建ての請求書による銀行振込」で経理処理できる点です。また、ご利用サービスによりますが、AWSの利用料において毎月一律の割引を受けて"節約"できる点もあげられます。
AWS請求代行のメリットは、以下のとおりです。
・ 日本円建ての請求書を発行してもらえる
・ 銀行振込によって、日本円でお支払いできる
・ 割引適用後の料金をお支払いするので、AWSとの直接契約より安価なことが多い
・ AWS環境の最適化を図るアセスメント支援や無料サポートなど、額面以上の高付加サービスが付随することがある
・ AWSに精通したAWSパートナーに気軽に相談できる
まとめ
AWSのご利用サービスやシステム規模から想定されるご利用額、お支払いにかかる手数料の有無、お支払い手続きの煩雑さなど複数の要素をよく考慮して、ご自身、または自社にとって最適なお支払い方法を選択しましょう。
<AWSお支払い方法の比較表>
お支払い 方法比較 |
クレジット カード決済 |
海外 送金 |
ACH 銀行デビット | 銀行振込 (AWSパートナー) |
対象 | 法人・個人 | 法人・ 個人 |
法人・個人 | 法人 |
契約先 | AWS | AWS | AWS | AWSパートナー |
お支払い通貨 | 米ドル※1 | 米ドル | 米ドル | 日本円 |
お支払い種別 | クレジット カード決済 |
海外送金 | 米国のACH 銀行口座の 引き落とし |
国内の銀行口座へ お振込み |
AWS利用料の割引 | × | × | × | ○※2 |
※1 初期設定の場合
※2 一部のAWSパートナーでは対応していない可能性もあります
個人利用であれば、クレジットカード決済が最善の選択肢となるでしょう。法人利用であれば、一般的なお支払い方法として経理処理しやすい日本円建て請求書による「銀行振込(AWSのパートナー経由でお支払い)」がおすすめです。
AWSパートナーであるGMOクラウドが運営するCloudCREWでは、初期費用0円、月額費用0円でお支払額の割引を適用する「AWS請求代行サービス」をご用意しています。AWSのコスト削減に興味がある方は、対面/電話による無料相談窓口をご用意していますのでお気軽にご相談ください。
初回公開日:2020年6月19日 更新日:2023年1月4日
- 監修
- GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営するCloudCREW byGMOでご紹介する記事は、AWSなど主要クラウドの認定資格を有するエンジニアによって監修されています。