2017.11.20

IoTとは?IoT初心者向けにわかりやすく解説!(第1回/全10回)

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IoT関連

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IoTとはなんですか?

「最近IoTという言葉をよく耳にしますが、IoT とは何ですか?」という疑問は大変多くの人が持っていますね。それもそのはずで、私も「Internet of Things の略語です」というぐらいでしか正確には答えられません。人によっては、「IT (Information Technology 情報技術)に ”o” が付いただけだろう 」と言う人もいますよね。 (^^)

ITに関しては、「あの人はIT系企業に勤めている」とか「私はITに弱い」とか日常的に「IT」という言葉が使われており、現在社会では「IT」に関しては皆様から一定の共通用語として認知されています。昔は「IT」と言えばビジネス中心の利用でしたが、今やスマホ(スマートフォン)は我々の生活習慣の一部として広く浸透しており、歩きスマホの事故多発等で大きな社会問題となっています。

確かにIoT は ITの言葉だけでは ”o” が付いただけですが、あえてITでなくIoT という言葉に置き換えるには、それなりの理由があります。IoT は IT の一部でありますが、今までITの延長線上にある技術進化でなく、これまでに経験したことのない異次元のステージへの幕開けです。このIoT登場による衝撃は一国では収まらず世界中を駆け回っており、ドイツではIoTをインダストリー4.0として国策で位置づけているほど重要視されています。

ITからIoTへ

今までの IT では、私達は色んな情報やサービス等の恩恵を受けていました。

具体的に言いますと、

  • (1)コミュニケーションツール:メール、LINE、Facebook (SNS)
  • (2)情報取得・情報共有:Web (ホームページ)、Dropbox(ファイル共有)、サイボウズ(グループウェア)
  • (3)サービス:YouTube(動画配信)、Googleマップ (地図案内)

以上のサービスは、皆様のビジネスや生活には欠かせない存在になっているのではないでしょうか?

しかし、このネットワークの世界に、IoTでは「デバイス」「機械学習(AI)」 という2人の新たな登場人物が参画してきました。

この2人の登場人物により、ネットワークに流れるデータは人間を中心とした情報オブジェクトから、人間が理解できる階層よりも下位レベルのデータ(ログ・制御)へ移り、今後の主流となってきます。今までのIT (情報技術)では、人間が入出力を担って整理し、その結果を情報としてデータベース等で管理してきました。しかし、IoT の世界では、センサーが検出する膨大なデータを、機械学習(AI)が整理し関連付けて制御します。場合によっては、人間よりも高い能力で状況を分析して判断や制御を実施します。

IoTの事例紹介

IoTをまだ具体的にイメージが湧かない方もいると思いますので、ここでは、GMOクラウドが実際にIoTのコンサルティング・インテグレーション(「IoTの窓口」)を行っている中で、生まれた事例をもとに説明してみたいと思います。「IoTの窓口」における製品の1つで、電気・ガス・水道の一括購入をはじめ、自動検針から一括請求、見える化まで提供している「スマート検針パック」に含まれるスマートメーターという電力を計測する機器があります。スマートメーターを利用しますと、家庭の電力使用状況をネットワークで通じて電力会社へ30分毎に送信されます。これにより、電力会社は各家庭の電力使用状況が分かるので、高い精度で電力需要ができ、配電ルートを有効に活用できます。発電所で発電する電気は基本的に電池のように貯蓄できませんので、スマートメーターはエネルギーの最適化という面で社会的に大きな貢献をします。また、従来は一カ月毎の電力料金の支払いのために、検針員が各家庭に訪問してきましたが、スマートメーターを利用することでその必要がなくなりますので、我々使用者はそのコスト削減の恩恵を享受できます。

今後はスマートホーム※と連動すれば「家庭内での電気の見える化」が進み、節電対策に大きな効果を発揮します。例えば、各部屋に人感センサーを設置すれば、人の出入りで照明やエアコンを適切に制御することも可能になります。

※スマートホームは家電や電化製品を統合・制御することで、効率的かつ快適な自動化された住まいのことです。

このように、今までのIT (情報技術)では実現しなかったことが、IoT ( = Internet of Things ) では「モノがネットワークにつながった」ことにより実現できるようになります。 ただし、その実現方法や効果があまりにも大きいので、多種多様な分野を巻き込みながら業界の垣根を越えて波及しているのが現実です。そのため、IoT の言葉を聴きますと、十人十色の回答が返ってくるのも当然です。ものづくりの人達にとっては、どのように製品やデバイスをIoTで向上させるかに議論が盛り上がります。一方、データサイエンティストの人達は、IoTで作成されるビックデータをどのように分析して状況(特長)を把握し、最適な制御や意思決定するのかに興味があります。他方、サービス提供会社や経営者は、IoT でどのような新サービスや新ビジネスモデルが創出できるかに価値を求めます。

以上のように、現段階ではIoT ( = Internet of Things ) とは「ものがネットワークにつながり、今まで以上に社会的インフラ等へ大きく影響を及ぼします。」という程度の認識で十分で、自分の興味が持つフィールド(分野)からはじめてIoTに触れていくのはどうでしょうか? そこから必要な知識を徐々に深堀りしていく方法で良いのではないかと考えます。

この記事を書いた人

大鍬和樹

イエスウィゴー代表 

電機系製造業で25年以上に渡り、業務用機器や家電製品の設計開発に従事。電子回路設計、FPGAやIC設計、組み込み系等のソフトウェア開発、情報システムの仮想化構築、等で幅広い分野を担当。
また、海外ベンダーやオフショアでグローバルに展開するプロジェクトに数多くも参画し、プロジェクトが辛い時期でも海外の人と仲良くコミュニケーションを図れる強みも持つ。近年は、中小製造業を元気させる IT & 経営 コンサルタントとして活躍中。サートプロIoT技術講師としてIoT/AI講座も担当する。

主な資格
- 中小企業診断士
- IoTプロフェッショナル・コーディネータ、ITコーディネータ 、PMP 等
詳しくは、こちら

GMOクラウドアカデミーYouTubeチャンネルはこちらから

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