普段URLアドレスやメールアドレスとして何気なく使っているドメイン。インターネットで閲覧するためにも、メールを送信するためにもなくてはならないものです。ドメインはどのような仕組みで運用されているのでしょうか。
ドメインとは?
ドメインとは、住所のようなものとよく言われます。というのも住所を使って手紙をやりとりをするように、ドメインを使って世界中のサイトと情報をやりとりするからです。ドメインは例えばWebサイトの場合「www.gmocloud.com」のように表記します。
ドメインは住所のようなものなので、世界でひとつとして重複するものはありませんが、実は、実際のサイトの位置情報ではありません。位置情報は「グローバルIPアドレス」というピリオドで区切られた4つの最大3桁の数字で識別し、「XXX.XXX.XXX.XXX」のように表します。グローバルIPアドレスはインターネットと直接つながる機器に振られる識別番号です。これももちろん世界でひとつとして重複するものはありません。
ドメインはなぜ必要?
「グローバルIPアドレスが位置情報ならドメインは必要ないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。でも「XXX.XXX.XXX.XXX」という数字の羅列では覚えにくく、ぱっと見てどんなサイトなのかわからなくなってしまいます。「www.gmocloud.com」であれば名前を見ただけで「GMOのクラウドに関係するサイトなんだろうな」となんとなくわかります。「academy.gmocloud.com」であれば「GMOクラウドサービスに関係しているサイトなんだろうな」となんとなくわかります。
また、サーバーを移動してグローバルIPアドレスが変更になった場合でも、ドメイン名でやりとりをしていれば変更後も従来どおりやりとりできるため、メンテナンス性も優れています。
そのため、1984年にドメインとグローバルIPアドレスを対応づける「DNS(ドメインネームサーバー)」が世界で初めて導入されました。DNSによってドメイン名をグローバルIPアドレスに変換してやりとりをすることができるようになったのです。インターネットを使う端末はすべてDNSサーバーでドメイン名をIPアドレスに変換してアクセスしています。
ドメインの構造を知ろう
ドメインはピリオドで区切ることで階層化されています。
例えば「www.gmocloud.com」の場合、
「com」・・・トップレベルドメイン(TLD)。他に「jp」「net」「shop」「tokyo」などがあります。
「gmocloud」・・・第2レベルドメイン。任意の名前をつけることができます。
「www」・・・第3レベルドメイン。任意の名前をつけることができます。
となっています。
トップレベルドメインには「分野別」に割り当てたものと「国や地域」に割り当てられたものがあります。例えば「jp」は日本に割り当てられたもので、日本に住所のある個人、法人、団体であれば登録することができます。
第3レベルドメインは英数字とハイフンを使用するのが一般的ですが、トップレベルドメインが「jp」の場合は「ジーエムオー.jp」のように漢字、全角ひらがな、全角カタカナ、全角記号を使用することができます。
上記と異なり、ドメインが4階層になる場合もあります。4階層のドメインは、トップレベルドメインが国や地域の場合のみ設定されます。第2レベルドメインは「co(企業)」「or(財団法人など)」「ac(大学など)」「ne(ネットワークサービス)」「go(政府機関など)」といったものがあり、組織の種別で区別されています。
ドメインは誰が管理している?
ドメインやグローバルIPアドレスはICANNという組織が管理しています。ICANNはトップレベルドメイン全体を管理しており、トップレベルドメイン単位で別の組織に管理を委託しています。委託された組織を「レジストリ」と呼びます。例えば「.com」はアメリカの企業Verisign,Incが管理しており、「.jp」は日本レジストリサービス(JPRS)が管理しています。ドメインの登録を希望する場合は、ドメイン登録と運用を代行する「レジストラ」を通して「レジストリ」に申請するのが一般的です。
ドメインの概要をまとめるとこのようになります。
・ドメインはインターネット上でアクセスするための住所のようなもの
・ドメインは人間にわかりやすく識別できるような名称で階層化されている
・ドメインはICNN、各レジストリ、各レジストラによって管理・運用されている
このように、ドメインはインターネットで世界中で情報のやりとりをするために、全世界で厳正に管理されているのですね。