2017.03.10

WebDAVとは?

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WebDAVとは、クライアントからサーバーとのファイル操作が容易に行える通信方式です。本記事では、WebDAVの用途やファイル転送サービスであるFTPと比較してのメリットやデメリットをご説明します。

WebDAVとは?

WebDAV(ウェブダブ)とは、HTTP(ハイパーテキスト・トランスファ・プロトコル)の拡張形式です。HTTPは、ウェブブラウザとウェブサーバーの通信による送受信を、インターネット通信やLANによる通信網で接続された端末間で行う技術です。
WebDAVは、そんなHTTPの技術を拡張した機能で、クライアントであるウェブブラウザからウェブサーバーに格納されているファイル・フォルダの参照・編集・コピー・削除などの操作を可能にした技術です。
遠くにあるサーバーのファイルを、さもローカル端末にあるような感覚で、ブラウザ上で編集して更新できることで、利便性が高まります。

サーバーへの認証は、ユーザー名とパスワードを入力して行います。SSL(セキュアソケットレイヤー)のデータ暗号化による送受信プロトコルや、プロキシを介しての通信をHTTPと同様に扱うことができます。
そのため、データのやり取りを安全に行うことができるメリットがあります。そんなWebDAVの技術を使用したオンラインストレージサービスも存在します。

WebDAVを使用するためには、ウェブブラウザを使用するクライアント端末と、ウェブサーバーの双方が対応している必要があります。WebDAVを使用するために特殊なソフトをインストールする必要はほとんどありません。クライアントとサーバー側でネットワークの設定を行えば、簡単に通信を行うことが可能です。

WebDAVはどんなときに使うのが良い?

WebDAVは、ファイアウォールなどでFTP(ファイル・トランスファ・プロトコル)が使用できない場合にも使用することができます。

ファイアウォールを使用するためには、多くの通信で使用するポート番号を解放する必要があります。FTPを利用する場合は、FTPの通信で必要となるポート番号(20/21)を使用する必要があるため、ファイアウォールをいったん解除したり、ルーターの設定を変更する必要にせまられることもあります。

WebDAVは、ウェブサイト閲覧で使用する場合と同じく、http/httpsで利用するポート番号(80/443)を使用します。
そのため、インターネット通信が可能な環境ならば、WebDAVを使用してクライアント端末のファイルを編集してアップロードすることや、直接ウェブサーバーのファイルを編集して更新することが可能です。
ファイアウォールやルーターの設定を気にすることなく利用できるのが、WebDAVの大きなメリットと言えます。
また、HTTPによるSSL認証を使用しての通信のため、ブラウザだけで操作が完結し、セキュリティ面でも大きなメリットがあります。

 

FTPとは何が違う?

FTPはファイル転送サービスとしては優れていますが、説明したようにポート番号の競合の問題で、使用が困難な場合もあります。
WebDAVは、ポート番号の問題や環境まわりのことを、気にする必要がなく操作できるのが特徴です。
一度ネットワークの設定をしてしまえば、ブラウザ上にファイルやフォルダを表示させ、ローカル端末での操作同様に直感的な操作が可能となります。

しかし、WebDAVはFTPに比べると、通信が不安定になることもあるようです。これはファイル転送を目的とするために作られたFTPと、本来ウェブサイトを閲覧するために作られたHTTPを、ファイル操作ができるように拡張したことが影響しているかもしれません。
また、サイズの大きいファイルのやり取りも転送速度はFTPの方が上です。

安全面を考慮するならWebDAVの利用が望ましいですが、ローカルネットワークの環境や、安全面が考慮された環境ではFTPを使用しても良いかもしれません。

実際にWebDAVとFTP双方を利用したことがある身としては、やはり大きなファイルの転送はFTPに軍配が上がるような気がします。特に忙しいときなどに、ファイルの転送で手間取ってしまうことは大きなストレスとなってしまいます。

WebDAVはFTPと比較しても、セキュリティ面でも大きなメリットがあることが分かりました。実際のシステム稼働時に、FTPを使用するためにファイアウォールの設定を変更・解除したり、ルーターの設定を変更するなんてことはリスクが大きすぎて、まず行うことはありません。そうなると必然的にサーバーとのやり取りは、WebDAVを使用することになります。また、ブラウザでの操作も普段使用するファイルの操作と同じ感覚で使用できますので、扱いやすいと言えるでしょう。

この記事を書いた人

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