cache(キャッシュ)という言葉を聞いたことがある方はたくさんいると思いますが、キャッシュの意味を理解している方は少ないのではないでしょうか?本記事ではキャッシュについて、詳しくご説明いたします。
キャッシュとは?
cache(キャッシュ)とは、利用率の高いデータを高速な記憶装置に保存しておくことで、データ処理を高速化する技術です。
キャッシュと言うと一般的には英語でお金を意味しますが、ITの分野で使われているcacheは、つづりのとおり「隠し場所」「貯蔵所」の意味として使われます。
キャッシュの仕組みとして、コンピューターはユーザーが利用頻度の高いデータをメモリに保存します。CPU(中央演算処理装置)は処理を実行するときに、まずメモリにキャッシュがあるか見に行きます。キャッシュの中に必要なデータがあれば、キャッシュを使用します。
メモリにキャッシュを保存することにより、ハードディスクからデータを読み込むよりも、処理を高速化することが可能です。
このような仕組みを「キャッシュ・メモリ」と呼ぶこともあります。
キャッシュを利用すれば、データの処理が高速化されるため、ユーザーもストレスなく使用することができます。
キャッシュはどんな場面で使われている?
インターネットでウェブブラウザを閲覧するとき、常にブラウザがキャッシュを行っています。すでに一度アクセスしたウェブページの画像などは、再度サーバーにアクセスしてダウンロードするのではなく、キャッシュに保存したファイルを読み込むことで、表示速度を上げることができます。
また、iPhoneやAndroidなどのアプリケーションでも、キャッシュは使われています。写真や音楽などの大容量データを扱う場合は、あらかじめキャッシュを使用する容量の設定が可能なアプリケーションもあります。
一度閲覧・使用されたデータをメモリに保存しておくことにより、写真などのデータをメモリからスムーズに読み込めたり、インターネットがつながらない環境でも、利用することが可能です。
キャッシュの落とし穴
キャッシュは高速記憶装置であるメモリにデータを保存し、保存したデータを読み込んで、データ処理を高速化してくれることが分かりました。このようにキャッシュは、一見便利な機能と思われがちですが、思いの外、落とし穴もあります。
キャッシュはメモリを使用します。キャッシュがたまりすぎると、その分データ処理でメモリ領域が確保できずに、パソコンやスマートフォン、ブラウザの動作が重くなったり、端末が高負荷の状態となることもあります。
そのため、ウェブブラウザの表示が極端に重くなったり、表示がうまくいかない場合も、ブラウザのキャッシュが影響していることがあります。
また、「スマホの動作が重くなったからキャッシュをクリアする」ということを、見聞きした方も多いのではないでしょうか。これはスマホで使用しているメモリ領域が、キャッシュによってメモリが圧迫されていることが原因として挙げられます。
そのため、ブラウザやスマートフォンのキャッシュを削除することで、動作が改善することができます。
キャッシュの削除は、端末やブラウザの設定から可能ですので、動作が気になったら一度削除してみましょう。
例)Google Chromeのキャッシュをクリアする - googleアカウントヘルプ(外部サイト)
また、公共の場や社内共有で使用しているパソコンで、キャッシュやクッキーの情報が残っていると、閲覧したウェブサイトの履歴や、個人情報などが残ってしまうため、場合によってはキャッシュやクッキーの情報を削除する必要があります。
キャッシュは高速記憶装置であるメモリにデータを保存するため、データ処理を高速化するために便利な機能です。しかし、思わぬ落とし穴があることも分かりました。キャッシュのメリットとデメリットをよく理解した上で、適切にキャッシュを利用することを、おすすめします。