みなさんこんにちは、今回はWordPressを利用するために必要な「PHP」についてお話をします。
WordPressをインストールするにはPHPが必要と記載されているため、必要というのはわかりますが、すでに利用中で、新しいWordPressにバージョンアップをするさいに「PHPの更新が必須です」といったメッセージが表示されてどうすればよいか迷ったことはないでしょうか。
では、PHPの更新(PHPのバージョンアップ)の必要性も含めて、「PHPとは?」からわかりやすくご紹介します!
そもそもPHPとは?
PHPとは、Web開発に使用されるプログラミング言語の一つです。サーバーにインストールして、サーバー上でプログラムを実行させるのに利用します。
PHPの主な機能は以下の3つです。
・HTMLを生成
・データベースとの連携
・クライアントから情報を受けとる
最初からHTMLで作成されたWebサイトと、PHPで作成されたWebサイトでは、表示されるまでの過程に違いがあります。
【HTMLで作成されたWebサイトの場合】
クライアント(閲覧者のPCやスマホなどの端末)がWebサイトの表示を要求
↓
WebサーバーがHTMLファイルを返信
【PHPで作成されたWebサイトの場合】
クライアントがWebサイトの表示を要求
↓
PHPが必要に応じてクライアントから情報を受けとったり、データベースから情報をとり出したりして、HTMLを生成し、Webサーバーに渡す
↓
WebサーバーがHTMLファイルを返信
HTMLファイルで作成されたWebサイトの場合、表示される内容は常に同じですが、PHPの場合は、Webサイト表示を要求されてからHTMLが生成されるので、その都度、内容を変えることができます。
このため、HTMLのWebサイトは「静的なWebサイト」、PHPのWebサイトは「動的なWebサイト」とも呼ばれています。
PHPを使うことで動的なWebサイトになりますので、静的なWebサイトと比べて、さまざまなことができるようになるのが特長といえます。
動的なWebサイト例:
・閲覧者の属性によって表示される内容を変える
(例:20歳以上にだけお酒のコンテンツを表示する)
・閲覧者の属性や時間帯によって表示される内容を変える
(例:Webサイトの表示を要求されたら時刻情報を取得して「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」のいずれかを表示する)
・問い合わせフォーム、ショッピングカート、予約システム、会員登録フォーム、掲示板や検索システムなどの利用
・新着記事を定位置に表示させる、記事を公開した日時を自動で末尾に表示させる、前の記事や次の記事へのリンクを貼る、同じカテゴリや同じ筆者の記事へリンクを貼るなどの整備
PHPは、比較的手軽に扱うことができるため、世界中の多くのWebサイトやアプリケーション、CMSなどで利用されています。
WordPressとPHPの関係性
さて、ここまでPHPについて説明してきましたが、WordPressとPHPにはどのような関連性があるのでしょうか?実は、WordPressというシステム(CMS、Contents Management System)は、PHPによって構築されているのです。そのため、WordPressを利用するということは必ずPHPもついて回るということになります。
WordPressを構成するのは大きく分けて、WordPress本体、テーマ、プラグイン、データベースの4つです。
WordPressでは、記事を格納するデータベースはMySQLというシステムを使用していますが、それ以外はいずれもPHPを使用しています。
WordPress本体のファイルをみてみると、以下のようにほとんどが.phpファイルになっています。
テーマやプラグインも同様に、たくさんの.phpファイルで構成されています。
twentyseventeen.2.4というテーマを例に構成ファイルをみてみましょう。
こちらもほとんどが.phpファイルですね。
プラグインの例として、今回はreally-simple-sslの構成ファイルをみてみましょう。
こちらも.phpファイルだらけですね。このようにWordPressに関する多くの機能はPHPを使っているということをご理解いただけたかと思います。
あるWordPressで作成されたWebサイトを開いたとき、上部にヘッダーが表示され下部にフッターが表示されるのも、サイトタイトルの画像が表示されるのも、データベースに格納された記事が呼び出されるのも、アーカイブ記事の途中で「続きを読む」リンクが現れるのも、すべてPHPの仕事です。
WordPressのありとあらゆるところでPHPは働いているのです。
WordPressをPHPでカスタマイズ!
WordPressはPHPを利用して、カスタマイズすることができます。その際、必ずしも直接プログラミング言語を記述する必要はありません。
WordPress管理画面左側のメニューで「外観-->カスタマイズ」と進んでいくと、管理画面上での選択や入力で、簡単にPHPで設定された内容を書き換えることができます。
利用しているテーマでは管理画面上から設定変更できないデザインや機能も、直接PHPの記述を行うことで設定変更が可能です。
また、WordPressとPHPに精通していれば、自分でテーマやプラグインを作ることもできます!
PHPはバージョンアップが必須!
冒頭でご紹介しました、PHPのバージョンアップが必要かについては、結論から申し上げますと、「必要」です!
それでは、なぜPHPのバージョンアップが必要かについてお話をします。
PHPのバージョンアップの大きなポイントとして「脆弱性」の問題があります。PHPもWordPressも「オープンソース」です。
「オープンソース」とは、ソースコードが公開されており、誰でも利用、修正、頒布できることを意味します。
とても便利でありがたいことではあるのですが、オープンソースであるがゆえ、悪意のある第三者が脆弱性を見つけ出し、攻撃をしかけることも容易になります。
攻撃を許してしまうと、以下のような目に遭う可能性があります。
・ウェブサイトが改ざんや削除される
・危険なサイトにリダイレクトされる
・顧客の個人情報を含む、情報流出
・WordPress管理画面にログインできなくなるなど
脆弱性解消のためのアップデートは随時行われていますので、WordPress管理者が、PHP・WordPress本体・テーマ・プラグインそれぞれを最新のバージョンに更新していく必要があります。
WordPress本体・テーマ・プラグインのバージョンアップは、WordPressの管理画面上「ダッシュボード-->更新」で行うことができます。
PHPのバージョンアップに関して、サーバー管理画面がついていないサーバーの場合は、サーバーにSSH接続してコマンドを実行する必要があります。
サーバー管理ツールPleskを導入している場合は、Plesk管理画面から簡単にバージョンアップが可能です。
詳しくは、以下の記事にて紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
煩雑なWordPressやPHPのバージョンアップ作業にさよなら! PleskのWordPress Toolkitを使ったらくらく運用法をお教えします!
PHPバージョンアップ時の注意
PHPのバージョンアップは、WordPress管理者が絶対に行うべきことですが、新しいバージョンが出たからといって、慌てていきなりバージョンアップを行うのは危険です。
なぜなら、PHPのバージョンと、WordPress本体やテーマ、プラグインの要求するバージョンが異なると、以下のような不具合が発生する可能性があるからです。
・WordPressのWebサイトが表示されない
・Webサイトの表示が崩れる
・WordPressの管理画面にログインできない
PHPをバージョンアップしても問題ないか、必ず事前に確認しておきましょう!
といっても、ほとんどの場合、一つずつ情報を収集して難しいことを考える必要はありません。
「PHP Compatibility Checker」など、PHPをバージョンアップしても大丈夫か、調べてくれるプラグインがありますので、ぜひご活用ください。
Pleskをご利用の方は、Plesk画面上で、上記プラグインと同じようにチェックしてくれる「PHP Composer」もご利用いただけます。
さらにPleskでは、現在公開しているWordPressの複製をステージング環境に作って、ステージング環境のWordPressだけPHPバージョンを変更し、実際にどのような表示になるのか確認することも可能です。
WordPressの複製作成方法は下記をご覧ください。
ステージング環境のPHPバージョン変更方法は、前述の別記事をご参照ください。
煩雑なWordPressやPHPのバージョンアップ作業にさよなら! PleskのWordPress Toolkitを使ったらくらく運用法をお教えします!
特に意識していなくても、WordPressを利用しているなら、PHPも必ず利用しているもの。
安全で快適にWordPressを利用するために、PHPのバージョンアップにもご注意ください!