今回は、サーバーをレンタルして利用している方向けにサポートをうまく活用できるようになるコツを紹介していきたいと思います。
Webサイトやメールが送れなくなったときにあわててサポート窓口に問い合わせたものの、「申し訳ありませんが、原因は分かりません」という趣旨の回答がきて、「えっ?」となられた経験はないでしょうか。
そういった経験をされた方やこれからサポートを利用する可能性のある方がスムーズにお問い合わせできるようになる情報として本記事をお役立ていただけますと幸いです。
なお、本記事はGMOクラウドの下記サービスをご利用のお客さま向けに作成されたものになります。
・ALTUS(アルタス)
・GMOクラウドPublic
・GMOクラウドVPS
・GMOクラウド専用サーバー
―トラブルの原因はすぐに分からない?!
意外に思われるかもしれませんが、Webサイトが見られなくなる原因、メールが送受信できない原因、サーバーに接続できない、反応がない等々サーバーにまつわる、さまざまなトラブルの原因は、お問い合わせいただいても正確には分からない、もしくはすぐには分からないケースがほとんどです。
サーバーホスティングの会社で技術のお問い合わせ窓口とうたっているのに?
と思われる方もいらっしゃると思います。
すぐに原因が分からない理由は大きく三つあります。
<<理由その1>>
一つ目ですが、ご利用いただいているサーバーの管理(いわゆるルート権限)はお客さまにゆだねていることに起因します。ルート権限を使用したサーバーの管理をお任せしている以上、サポートスタッフがお客さまに承諾なくサーバーにログインすることは原則として許されていません。
なぜなら、最上位権限であるルート権限を持つことで、サーバー内におけるあらゆる作業が可能になります。ルート権限を持ってサーバー内で作業をすることは、リスクを背負う行為なのです。
そのため、サーバーのルートパスワードもお客さまにて管理いただいていますし、お客さまの承諾が得られていない状態でサーバーにログインして、何か作業をすることはありません。
つまり、お問い合わせいただいている時点で、サーバー内にどういった設定がされていて、どのような事象が原因でトラブルになっているのかをサポート窓口で直接確認できない、ということになります。
サーバーの管理者といわれても困ってしまう方がいるかもしれませんが、上記のホスティングサービスは、あくまでサーバーという箱をお貸しして、サーバーの中身は
お客さまが管理・運用していただくサービスとなっています。面倒と感じられる方も中にもいらっしゃるかもしれませんが、箱のみの提供は、その分自由度が高く、他のお客さまの影響を受けづらいというメリットもあります。
しかし、サーバーの管理をお客さまに任せている以上、各種トラブルの対応は弊社ネットワーク障害などの一部を除いてお客さまご自身でご対応いただく必要がでてきてしまいます。サポートは、サーバー内を直接お調べができないので、基本的に解決するためのお手伝いをさせていただく形となります。これは、弊社にかぎった話ではないので、他のホスティング会社でも同じような対応になるかと思います。
長くなってしまいましたが、サポート対応は、サーバーの中がどうなっているか調べられない状態で行いますので、
その場ですぐにトラブルシューティングするのは非常に難しく、全くの同一事例などがないかぎり
すぐに解決というわけにはなかなかいかないのです。
<<理由その2>>
二つ目の理由として、無償で対応できるサポートの範囲は決まっている、という点があげられます。
例えば、当社では以下の内容でのサポート提供となっています。
■クラウドサーバー:ALTUS、Public
https://help.gmocloud.com/app/answers/detail/a_id/3599/
■VPS
https://help.gmocloud.com/app/answers/detail/a_id/2696/
■GMOクラウド専用サーバー
https://support.gmocloud.com/private/free_support.html
知らなかった方も多かったのではないでしょうか?
サポートの範囲は思ったよりせまいな、と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実際にサーバーのトラブルに関するお問い合わせの内容はこの範囲を超えてしまうことが多いです。
対応できる範囲はあくまでお貸ししている箱に起因しているものになってしまいますが、範囲外ならサポートは役に立たないのか?というと、そういうわけでもありません。
弊社サポートに関しましては、範囲外の事象に関しましては、サポートが答えを持っているわけではありませんが、サポートの知見を生かして解決できるかもしれない方法を提案させていただいています。
お客さま側でお試しいただかなくてはならないケースもございますが、できるだけ解決に近い方法を提示できるよう努めています。
<<理由その3>>
最後に三つ目ですが、トラブルの原因はさまざまであり、マニュアルや事例もないときは根気よく原因を切り分けていく必要があるため、切り分けに時間がかかってしまいます。
下記図のようにさまざまな要素がトラブルの原因となる可能性があります。トラブルを解決するためにはその原因となっている箇所を突き止める必要があります。
技術上の問題は、理論上は一つ一つ原因を切り分ければ必ず原因があり、解決する方法もあるわけですが、その原因がネットワークや接続元のコンピューター
にある場合などはサーバー内だけの確認では対応できませんし、サーバー内の問題であっても、OSを含めサーバー上で動くソフトウェアは膨大なプログラムや
設定情報によって構成されていますので、サポート窓口でも到底全てを見通すことはできません。
そのため、「Webサイトが見られない」という事象に対して、「これこれこうすれば直る」ということがすぐに分かることはほとんどなく、すぐに復旧されたい場合は、やむなくサーバーの再起動を試していただく、といったご案内になってしまうケースが多くなってしまいます。
時間がかかる場合もありますが、その結果として無事問題が解決する事例も多数ございます。
また、どうしても自分で行うのが困難な作業や手間と感じる作業は、お客さまの承諾をいただいた上でルート権限を頂戴し、有償で対応することもできます。どうしてもリスクが伴う作業ですので、有償で対応させていただいております。
有償対応メニューについてみてみる>>
次回後編では、よりサポートを有効に使っていただく、という視点で、Webサイトが見られない・重たい、メールの送受信ができないといったトラブルが起きてしまったときにはどのような内容を伝えれば、短時間で的確な回答を得やすいのか、お問い合わせのコツを具体的にお伝えしていきたいと思います。