2026.08.18

「普通に動いている」Webサイトは安全なのか?5つの事実と3つの実例でわかるセキュリティ診断の必要性

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ホームページの運用管理

「普通に動いている」Webサイトは安全なのか?5つの事実と3つの実例でわかるセキュリティ診断の必要性

あるお客さまからの、一本のお電話

「健康診断は毎年必ず実施しているのに、Webサイトの健康状態は放置したままで、ふと『あれ? しなくていいの?』と思い、今回問い合わせました」

先日、ある企業のご担当者さまからいただいたお声です。

言われてみれば、私たちマネージドサービスチームは、この「当たり前」を一度もきちんと発信してこなかったかもしれません。そこで今回は、Webサイトに定期検診(脆弱性診断)が必要な理由を、思い込みや脅し文句ではなく、公的機関の統計と、私たちのサポート現場で実際に起きたことだけを並べてお伝えします。

読み終わる頃には、冒頭のご担当者さまと同じ疑問

——「あれ? うちはしなくていいの?」——

が、皆さまの中に自然と浮かんでいるはずです。

目次

  1. まず、事実を5つ並べます
    1. 事実①:あなたのサーバーは、1日9,000回「ノック」されている!?
    2. 事実②:Webサイトは経年劣化する!?
    3. 事実③:被害の中心は大企業ではなく、中小企業に移っている!?
    4. 事実④:改ざんに最初に気づくのは、多くの場合「自社」ではない?
    5. 事実⑤:事後対応の費用は「1,000万円以上」が約6割
  2. 【現場の記録】「普通に使えていた」サイトで、実際にあったこと
    1. ケース1:「普通に使えています」の裏側で(サポート歴3年Aさん)
    2. ケース2:「少し違和感がある」からの深刻な発覚(サポート歴6年Bさん)
    3. ケース3:取引先から突然の「セキュリティ審査」要求(サポート歴4年)
  3. ここまでを並べてみると
  4. 今日からできること:現在の委託先に、この3つを聞いてみてください
  5. ここからは、自社で確認が難しい方へのご案内です
  6. おわりに
  7. 参考資料

― まず、事実を5つ並べます

事実①:あなたのサーバーは、1日9,000回「ノック」されている!?

警察庁が全国に設置している観測センサーでは、サイバー攻撃の前兆となる「脆弱性探索行為」などの不審なアクセスが、1日・1IPアドレスあたり約9,000件検知されています(2025年上半期:9,085.4件/日)。2024年通年では9,520件と過去最高を記録しました。

つまり攻撃者は、あなたの会社を名指しで狙っているのではありません。
機械的に、無差別に、24時間ドアノブを回して回っているのです。
「うちは狙われるような会社じゃない」という感覚は、残念ながらこの実態とかみ合っていません。
鍵のかかっていないドアが見つかれば、そこが誰の家かは関係ないのです。

事実②:Webサイトは経年劣化する!?

IPA(情報処理推進機構)とJPCERT/CCが運営する脆弱性データベース「JVN iPedia」には、2025年の1年間で41,742件の脆弱性対策情報が新規登録されました。単純計算で1日あたり約114件、新しい「弱点」が世界のどこかで公表され続けている計算になります。

脆弱性対策情報データベースJVN iPediaの登録状況 [2025年第4四半期(10月〜12月)]https://www.ipa.go.jp/security/reports/vuln/jvn/ipedia2025q4.html

ここで重要なのは、この数字が意味することです。Webサイトは、何もしなくても"劣化"します。制作した瞬間は最新で安全だったサイトも、その構成部品(OS、CMS、プラグイン)の弱点が翌日以降に次々と発見されていく。つまり「作った時に安全だった」という事実は、時間の経過とともに自動的に無効化されていくのです。建物の耐震基準が改定されれば既存の建物が「既存不適格」になるのと同じ構造が、Webサイトでは毎日起きています。

事実③:被害の中心は大企業ではなく、中小企業に移っている!?

まとめ:「うちは中小だから関係ない」は、統計上もっとも危険な思い込み!!

「サイバー攻撃のニュースは大企業の話」と思われがちですが、統計は逆を示しています。警察庁の報告では、2025年上半期のランサムウェア被害116件のうち77件(約3分の2)が中小企業で、件数・割合ともに過去最多となりました。

令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7kami/R07_kami_cyber_jyosei.pdf

背景として警察庁が指摘しているのが、「RaaS(サイバー攻撃ツールのサブスクリプション販売サービス)」の普及です。攻撃ツールが月額課金のサービスとして売買されるようになり、高度な技術を持たない者でも攻撃に参入できるようになった結果、「範囲が広がり」被害に遭う構図が生まれています。攻撃側がサービス化・分業化した以上、防御側も「守りの外注」を検討するのは自然な流れと言えます。

事実④:改ざんに最初に気づくのは、多くの場合「自社」ではない?

まとめ:改ざんは「気づかれないこと」を目的に設計してます!!

警察庁がWebサイト改ざん対策のページで紹介している相談事例を見ると、共通点があります。

  • ・「ウェブサイトが改ざんされている」と顧客から連絡があった
  • ・「ホームページを閲覧していたらウイルス検知した」と顧客から連絡があった

警察庁「ウェブサイト改ざん対策」 https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/hacked-website.html

そう、発見者がお客さま(Webサイトの閲覧者)であるケースが多く報告されています。改ざんの多くは、見た目を派手に書き換えるのではなく、閲覧者を偽サイトへ転送したり、裏側でマルウェアを配布したりと「気づかれないこと」を目的に設計されています。

サイトが普段どおり表示されていることは、安全であることの証明にはなりません。むしろ「正常に見えること」こそが、攻撃の隠れ蓑になっています。

事実⑤:事後対応の費用は「1,000万円以上」が約6割

まとめ:予防の診断は年数万円。事後対応との差は、文字どおり「桁違い」!!

被害に遭った企業・団体への警察庁アンケートでは、ランサムウェア被害の調査・復旧に1,000万円以上を要した組織が59%(2025年上半期)に達し、前年の50%からさらに増加しています。復旧に1か月以上かかったケースも約半数にのぼります。

令和7年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7kami/R07_kami_cyber_jyosei.pdf

一方、後述するとおり、予防としての診断は年に一度、数万円の規模から実施できます。健康診断を受けずに人間ドック級の入院費を払うか、毎年の検診で早期発見するか——構図はまったく同じです。

― 【現場の記録】「普通に使えていた」サイトで、実際にあったこと

統計だけでは実感が湧きにくいと思いますので、当社マネージドサポートのエンジニアが実際に直面した事例を3つご紹介します。いずれも、特別な企業の特別な話ではありません。

ケース1:「普通に使えています」の裏側で(サポート歴3年Aさん)

【結論:「問題なく動いている」は、安全の証明にはなりません】 飲食店のお客さまより「サイトは普通に使えています」と伺っていましたが、スキャンしたところ、古いWordPressテーマに既知の脆弱性が残っており、バックドアが仕掛けられた痕跡が見つかりました。悪用される前に発見・対処できたのは幸運でした。——事実④の「正常に見える」がそのまま起きていた事例です。

ケース2:「少し違和感がある」からの深刻な発覚(サポート歴6年Bさん)

【結論:「様子見」をしている間も、被害は静かに進行します】 ECサイトを運営する小売業のお客さまから「サイトがおかしい気がする」とご連絡をいただきました。確認すると、CMSの古いプラグインが原因でマルウェアが埋め込まれ、訪問者がフィッシングサイトへ誘導される状態に。お客さまは数週間前から異変を感じていたものの、サイト自体は動いていたため様子を見ていたとのことでした。

ケース3:取引先から突然の「セキュリティ審査」要求(サポート歴4年)

【結論:診断レポートは「守り」だけでなく、取引を守る書類にもなります】 取引先からWebサイトのセキュリティ審査を求められ、急ぎでご相談いただいたケースです。脆弱性が残っていたことに加え、セキュリティ対策の実施記録が何もない状態で、審査対応に相当な時間を要しました。定期診断の「安全証明レポート」は、守りだけでなく、取引を守る書類にもなる——現場で学んだことです。

― ここまでを並べてみると

5つの事実と3つの現場記録から、こう言えるのではないでしょうか。

  • 攻撃は無差別に、毎日届いている(事実①)
  • サイトは放置するだけで安全性が目減りしていく(事実②)
  • 「うちは規模的に無関係」は、もう成り立たない(事実③)
  • 被害は自分では気づけない設計になっている(事実④・ケース1・2)
  • 気づいてからでは、費用も信用も桁が変わる(事実⑤・ケース3)

「動いている」と「守られている」は、まったく別の状態である——これが、私たちが定期検診をおすすめする理由のすべてです。

なお、これは私たちセキュリティ事業者だけの意見ではありません。

IPA(情報処理推進機構)は、Webアプリケーションに対するセキュリティ診断を「1年に1回程度、および機能追加等の変更時」に実施することを推奨しています。

これは、「一度診断したら終わり」ではなく、定期的な点検が必要であることを、公的機関が示しているということです。

人間も年に1回健康診断を受けますが、再検査や経過観察が必要な場合は、より短い間隔で受診します。Webサイトも同じです。一般的なサイトは年1回程度の定期診断を行い、ECサイトや会員サイト、決済サイトなど重要な情報を扱うサイトは、リスクや機能変更の内容に応じて、より高い頻度で診断を実施することが望ましいでしょう。

― 今日からできること:現在の委託先に、この3つを聞いてみてください

定期検診は、どの会社に依頼していただいても構いません。

現在お付き合いのある制作会社さま、サーバー事業者さま、保守会社さまに、まずは次の3つを確認してみてください。

  1. 1.「このサイト、最後に脆弱性診断をしたのはいつですか?」 ——記録が出てくれば安心です。「診断とは?」という反応なら、一度も受けていない可能性があります。
  2. 2.「CMSやプラグインのアップデートは、契約に含まれていますか?」 ——制作契約と保守契約は別物です。「作って終わり」の契約は珍しくありません。
  3. 3.「改ざんやマルウェアを検知する仕組みはありますか?」 ——事実④のとおり、検知の仕組みがなければ、発見者はお客さまになってしまいます。

3つとも対応しているなら、貴社のサイトはきちんと守られています。この記事はここで閉じていただいて大丈夫です。もし1つでも答えに詰まる項目があれば、それが貴社サイトの「未受診の項目」です。

― ここからは、自社で確認が難しい方へのご案内です

とはいえ「聞ける相手がいない」「自社で確認する手段がない」という方もいらっしゃると思いますので、最後に私たちのサービスにも触れさせてください。

当社では、SiteLock(サイトロック)の「ワンショット診断」を提供しています。URLをお送りいただくだけで、マルウェア・脆弱性・ブラックリスト登録状況を自動スキャンし、取引先にも提出できる安全証明レポートを発行します。

  • ・診断費用(1回):16,500円/200ページまで(税込)
  • ・200ページ超:33,000円/600ページ、41,250円/1,000ページ、49,500円/2,000ページ
  • ・契約不要・単発OK・追加費用なし。診断中も通常業務は止まりません。

実は、GMOのサーバーをご利用でないお客さまにも数多くお使いいただいています。診断は診断として単体で完結しますので、「今の環境は変えたくないが、健康状態だけ知りたい」という使い方がむしろ主流です。

▼ SiteLock(サイトロック)ワンショット診断の詳細・お申し込み https://form.gmocloud.com/saas/websecurity-report/contact/

― おわりに

健康診断と同じで、何も見つからなければ、それが一番の収穫です。「異常なし」の一枚は、経営者にとっての安心であり、取引先への信用であり、担当者にとっての「やるべきことはやっている」という証明になります。

Webサイトは24時間365日、貴社の最前線に立ち続けている「顔」であり「営業担当」です。年に一度、その働き者に検診を受けさせてあげてください。——どの病院で受けるかは、二の次で構いませんので。

参考資料:

この記事を書いた人

クラウド推進チーム

GMOグローバルサイン・HDがお客さまに提供する価値は『コトをITで変えていく。』です。
クラウド推進チームはこの価値を提供するためのチームです。
このブログでは、お客さまにとって有益なクラウド情報を発信してまいります。

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