2016.12.19

使用環境に合わせて最適なディスクドライブを選択しよう

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クラウド・ホスティングサービスの用途は、「コーポレートサイト」「ECサイト」のような「Webサイト」から始まり、今では「ネットワークのファイル共有」から「エンタープライズシステムでのデータベースやアプリケーションサーバー」までの広範囲にわたり、用途においてオンプレミスと変わらないところまできています。

これら多様なシステムにおいての、基本ソフト(OS)や、お客さまの大切なデータは、いずれも、「ディスクドライブ」と呼ばれる補助記憶装置に保存されています。

従来ディスクドライブは、「SAS」や「SATA」といった「ハードディスクドライブ」が利用されてきましたが、ここにきて「SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)」に保存するケースが増えてきています。多くの皆さんは、SSDはハードディスクよりも、価格は高いがデータの読み書きが「速い」という印象を持たれているのではないでしょうか?
それは、おおむね間違いではありませんが、ディスクの使い方やデータの特性によっては、必ずしもそうでない場合があります。ここでは、ハードディスクとSSDの違いと、用途に合った使い方についてご紹介したいと思います。

ハードディスクドライブ(HDD)とソリッドステートドライブ(SSD)の違い

ハードディスクドライブ(HDD)は、内蔵したディスク(円盤)をモーターで回転させ、磁気ヘッドを移動して位置を決め、データを磁気的に記録します。ソリッドステートドライブ(SSD)はNAND型フラッシュメモリを使用し、電子的にデータを記録します。

HDDはすでに広く普及し、ディスクの回転数の違いなどによって、性能や信頼性の異なるモデルがあり、パーソナルユースからミッションクリティカルなエンタープライズ用途まで幅広い分野で利用されています。

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SSDにはHDDのようなディスク(円盤)はありませんので、ディスクの回転待ち時間が必要ないため、HDDと比べて非常に高速にデータへアクセスすることが可能と言われています。また、物理的に動作する機械部品を持たないため衝撃に対する耐性も高く、稼働時だけでなく保管や輸送時の不意の衝撃による故障のリスクをも軽減することができます。
一方で、非常に微細なメモリセルに対する電子的な記録であるため、メモリセルの劣化は避けられず、書き込み回数に依存した寿命があります。
このように、機構できな違いのある、HDDとSSDですが、肝心の読み書き性能はどうでしょうか?

HDD SAS
記録方式 ディスクに磁気的に記録 NANDフラッシュメモリに電子的に記録
性能 中~高
Sequential Reads :200MiB/s
Sequential Writes : 200MiB/s
Random Reads : 380 IOPS
Random Writes : 360 IOPS
高 (ランダムアクセスが特に高速)
Sequential Reads :400MiB/s
Sequential Writes : 180MiB/s
Random Reads : 40,000 IOPS
Random Writes : 14,500 IOPS
シーケンシャルリード
シーケンシャルライト
ランダムリード
ランダムライト
コスト 低:369円/GB 高:3,630円/GB
信頼性・耐久性 ・MTBF : 170万時間程度 ・MTBF : 200万時間程度
・書き込み回数に依存した寿命がある

このように、HDDはシーケンシャルリードやライトに強く、ランダムリード・ライトに弱いという特性があります。これは、前述のとおり円盤とアームが強く関係しています。
円盤とアームは、一昔前のレコードと同じです。レコードは、まずレコードが回転をはじめ、適度な回転数になったところで針を曲の頭へセットしてから音楽が始まります。これと同じようにHDDでも、まず円盤が回転し、アームがデータの先頭に移動してからデータの読み書きが始まります。そのため1つの大きなデータ(シーケンシャル)を読み書きすることは得意なのですが、細かいランダムデータの場合は、その都度アームが位置を変える必要があるため、読み書きが遅くなります。

パソコンをお持ちの皆さんであれば、ディスクの断片化という症状を聞かれたことがあると思います。ディスクにたくさんデータが書かれると、ディスクの隙間が減ってきます。そこへ大きなデータを書き込む場合、隙間に少しずつデータを書くことになります。このように、データは1つなのにデータが書かれた場所がばらばらになってしまうことを断片化と言いますが、HDDはまさにこの断片化されたデータの読み込みが苦手なのです。だから、HDDは使い込むほどに速度が遅くなったようにみえるのです。

161219_ssd-hdd_src02一方SSDはどうでしょうか?円盤やアームがないので、読み書きがシーケンシャルかランダムかという点はそれほど影響がありません。ただし、書き込みには注意が必要です。
SSDは、電気的にデータを記録するという説明を書きましたが、まさにこのことが影響しています。
HDDでは、削除されたデータの上に新しいデータを書き込む場合、元あったデータの場所に新しいデータを上書きします。
一方SSDでは、削除されたデータの上に新しいデータを書き込む場合、一度データを完全に消してから書き込む必要があります。データの記録を電気的に処理していることが大きな影響です。特にシーケンシャルライトは、データが大きい傾向があり、元記録されていた情報削除する手間があることと、HDDが得意な分野であるため、SSDのほうが性能が出ないという傾向があります。

念のため誤解の内容に記載しておきたいと思いますが、SSDもHDDも、普段皆さんが利用されるメールやオフィスドキュメントの読み書きといった、容量の少ない単体のデータの読み書き性能差は体感できるほどのことはありません。ここで書いている性能差はあくまで、高速な処理が必要なデータを比較してのことであることをご理解ください。

ここで、お気づきになられた方がおられるかと思いますが、古いデータは削除されているはずなのに、なぜデータを削除する必要があるのか?ということです。
コンピューター上で管理されるデータは、その特性上ユーザーが不要なデータをゴミ箱に捨てても、すぐには削除されません。不要なデータの先頭に×印をつけて、そのデータは読み込まないようにしています。なぜそんなことをしているのか?というお話は別の機会に譲るとして、SSDが削除されたデータの上に新しいデータを上書きする際に、完全に削除する必要があるのはこのためです。
ニュース番組等でメールやデータの保存履歴を復元した・・・などというお話を耳にすることがあると思いますが、消したはずのメールが復元できるのも、この仕組みのためなのです。

ハードディスクドライブ(HDD)の種類と選定のポイント

前述したように、HDDもSSDも、データの読み書きの方法によって、得意分野が分かれることが確認できたかと思います。最後に、具体的にどのような使い方でSSD・HDDを選択することが効果的なのか?について、ご紹介します。

HDDが得意な使い方

上の表にもあるようにHDDは容量単価がSSDと比較して安価です。そのためたくさんのデータを保管するファイルサーバーには特に向いていると言ます。
また、HDDは特にシーケンシャルリード・ライトが得意です。そこで画像やストリーミングといった、比較的大きなデータの保存・書き換えが多い、ストリーミングサイトや画像保管サイトにも有効と言ます。

SSDが得意な使い方

ランダムアクセスが得意なSSDが、最もその性能を発揮する使い方は、データベースだと言われています。データベースは、頻繁にデータの読み書きが行われます。また一般的に業務で利用されるデータベースは、1つのデータベースサイズもそれほど大きくなく、まさにSSDが最適です。
そしてもう1つは、システム領域です。システム領域はたくさんの細かいファイルで構成しているものの、セキュリティパッチやログ記録以外は、データ領域と比較してもデータの書き込みより読み込みの割合が多い領域です。このようにデータの読み込みが中心のシステム領域にも、SSDが有効と言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか?HDDもSSDも、仕組みの違いやコストによって、得意分野・不得意分野があります。ぜひこの特長を生かして、最適なディスク選びを。

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この記事を書いた人

GMOクラウドよしひろ

GMOクラウドよしひろ

GMOクラウド株式会社 営業部所属  気が付いた時からずっとプリセールス。
普段難しいことばかり考えているので、この場ではこれからがんばっていこう!という皆さん向けに、わかりやすい記事を書いていきたいと思います。

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