2020.08.12

ファイルサーバーとは?ファイルサーバーの種別とクラウド化について分かりやすくご紹介!

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おしえてアカデミー!

fileserver

1.ファイルサーバーとは
ファイルサーバーとはネットワークを通してファイルデータを複数人で共有するためのファイル保管用のサーバーです。
データをファイルサーバー上に配置することで共有による作業効率の向上が図れるほか、バックアップなどの運用における一元管理が可能になるなどのメリットがあります。
また、単純な共有資料の保管庫としての使い方から、PCのディスク不足の対策としてローカルドライブの代わりに使う、バックアップデータの保管先など、その用途はさまざまです。
日々の作業を円滑に進める上で、今や欠かすことのできないサーバーの一種といえます。

また、昨今では、新型コロナの影響によりテレワークが進み、ファイルサーバーのクラウド化が今まで以上に注目されています。本記事では、ファイルサーバーの種類やそれぞれの特長を分かりやすくまとめた上で、ファイルサーバーのクラウド化の考え方についても紹介していきます。

2.ファイルサーバーの種類
ファイルサーバーを使ったファイル共有は形態や用途によって異なります。選択肢として大きく4つあげられます。

(1)社内ファイルサーバー
社内ファイルサーバーとは、社内ネットワークにオンプレミスで設置するファイルサーバーを指します。
社内ファイルサーバーの場合、社内ネットワークとの親和性が高いWindows ServerやWindows Storage Serverのフォルダー共有機能を使うことが多いでしょう。
Active Directoryと連携することでアクセス権の管理や社内ポリシーの適用が容易となるメリットがあります。

(2)NASサーバー
NASサーバーとは、Network Attached Storageの訳で、ネットワークに直接接続可能なファイルサーバー専用機を指します。
搭載OSはLinuxをカスタマイズしたものであることが多いため、低価格であることが特長としてあげられます

WindowsだけではなくMacからもアクセスできるといったメリットがある一方、多人数による同時アクセスには不向きといったデメリットがあります。

(3)クラウドストレージ
クラウドストレージは、クラウド事業者が提供するSaaS型のストレージサービスです。
多くの場合、複数の企業で共有するWebアプリケーションとDBおよびその裏側にあるストレージで構成されています。
マルチテナント型のマネージドサービスであるため、初期投資が不要、運用負荷が低く、また、WebブラウザやWebDAVでアクセスできるため、すぐに利用開始できる手軽さが特長としてあげられます。

(4)クラウド型ファイルサーバー
クラウド型ファイルサーバーは、利用者自身でクラウド上に構築する自社専用のファイルサーバーです。
オーダーメイドでの構築となり、カスタマイズができますので、セキュリティーや運営を従来の企業ポリシーの延長線上で対応することが容易となり、ガバナンスを効かせやすくなります。
一方、設備を資産として持つ必要はなくなりますが、自身でソフトウエアの保守をしていく必要があります。

3.ファイルサーバーを導入する際の検討事項
ファイルサーバーの導入にあたり検討すべき項目には次のようなものがあります。
(1)用途
ファイルサーバーを利用する目的・用途をはっきりさせておきましょう。一般的な用途は次のようなものがあげられます。

・ファイル、データの共有
・PCのディスク不足対策
・データのバックアップ先
・マスターファイルの一元管理

(2)共有が必要となる範囲
次に共有する範囲です。共有相手は誰でどこにいるか?ということもはっきりさせておきましょう。
社員全員なのか、一部の社員なのか、相手が社員でも在宅など社外にいる相手とファイル共有したい場合や社外の相手に対してメールの添付ファイルをファイルサーバー経由で送りたい場合もあるでしょう。
さらには、複数のWebサーバーでコンテンツを共有する場合もあります。

(3)機能
利用シーンを想定した際にファイルサーバーに求める機能を考えます。

・ファイルサーバー上での直接編集が必要なのか、単純に保管できれば良いのか?
・ドラッグ&ドロップのように操作は簡単な方が望ましいのか?
・Windowsのほか、Macやタブレット、スマートフォンからの操作もできるか?
・誤って削除したファイルを復元できるか?
・アクセスログは参照できるか?

(4)セキュリティー
フォルダーやファイルにアクセス権が設定できるか?設定できる場合でも、その方法や管理が容易であることも重要です。
また、クラウドストレージやクラウド型ファイルサーバーなどのクラウドを利用する場合などは、通信経路も含めた機密性がどこまで備わっているのかを確認する必要があります。

(5)運用管理
導入にあたり管理者視点での検討も必要です。障害からの復旧やサーバー保守にかかる労力をどれだけ軽減できるか?
また、ファイルサーバー乗り換えの場合には、データ移行をスムーズに行えることもポイントとなります。

検討項目は以上のようなものになりますが、全ての要件を満たすことは難しく、現実的にはトレードオフとなりますので、何を重要視するかの選択となります。

4.ファイルサーバーをクラウド化するメリットとデメリット
昨今の働き方改革やコロナウイルス流行にともなう自粛は、リモートワークや社内フリーアドレスの導入を促進させています。
社内外を問わず業務を遂行するには、どこからでも社内のリソースにアクセスする必要があります。
このような背景から今まで社内ファイルサーバーをオンプレミスで運用していた企業がファイルサーバーのクラウド化を検討する企業が増えています。クラウド化にあたっては、そのメリットとデメリットを理解した上で利用することが重要です。
クラウド化によるメリットとデメリットはオンプレミスのそれと相反するものです。

(1)クラウド化のメリット

クラウド化のメリット表

(2)クラウド化のデメリット

クラウド化のデメリット表

5.クラウド化する際のサービスの選び方
このようにクラウド化にはメリットもあれば、当然デメリットもあります。しかし、変わり続けるビジネス環境の中で企業が成長し続けるためには、企業にとって利益を生まないシステム部分は外部サービスを活用し、社内リソースを本業に集中していくことが必要です。
クラウドサービスを選定する上では、特に次の3点が重要となります。

・セキュリティー対策
・利用者、社内システムとの親和性
・低コスト

例えば、弊社が提供しているクラウド型ファイルサーバーである『ファイル執事』はクラウド上にユーザーごとに用意される専用サーバーへリモートアクセスVPNで接続するクラウドサービスですので、機密性、可用性などのセキュリティーが標準で確保されています。

Windowsとの互換性があるためExplorerからの操作、VSSの利用、Active Directoryとの連携も可能です。通常クラウド型はオーダーメイドなので、自身で構築が必要ですが、ファイル執事はマネージド型であるため初期構築、基盤運用が一切不要となります。
このような仕様のサービスが月数万円で利用できるのはファイル執事の魅力です。

このような企業ポリシーの延長線上で利用できるサービスを選定し、ガバナンスを効かせ運用することで、利便性と安心を両立させるクラウド型ファイルサーバーの運用が可能となると考えます。

以上、いかがでしょうか?
本記事が少しでもファイルサーバーに関する知識およびクラウド化を検討する際の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

クラウド推進チーム

GMOグローバルサイン・HDがお客さまに提供する価値は『コトをITで変えていく。』です。
クラウド推進チームはこの価値を提供するためのチームです。
このブログでは、お客さまにとって有益なクラウド情報を発信してまいります。

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