AWS上限緩和申請とは?AWS上限緩和申請の方法や反映されるまでの時間とは?AWS のService Quotas(サービスクォータ)と呼ばれるデフォルトの上限値を緩和するための申請方法や、サービスクォータに反映されるまでの時間を解説します。
目次
AWSのリソース数に制限がかけられている理由
AWSは、サービスごとにサービスクォータと呼ばれるデフォルトの上限値を設けています。クォータは、以前「制限」と呼ばれていました。そして、特に明記されていない場合、リージョンによってサービスクォータは存在すると、公式サイトでは案内されています。
リソース数に制限をかける理由は、以下のとおりです。
- ・サービス提供事業者として、可用性と信頼性の高いサービスを提供するため
- ・オペレーションミス、意図しない過剰なリソース利用による支出からユーザーを保護するため
ユーザーが追加リソースを必要とする時に応えられるよう、一定のリソースを確保して、安定したサービス提供を維持したいという提供事業者の配慮が伺えます。
また、AWSは従量課金制です。ユーザーが必要とする以上のリソースをうっかり使用すると、請求額は膨らみます。本当に必要なリソースを都度申請させることで、ユーザーを保護する意図もあるのでしょう。
AWS上限緩和申請とは?
AWS上限緩和申請とは、AWSアカウントまたはサービスごとに定められたクォータの引き上げをリクエストする手続きです。上限値を緩和するためには、AWSに都度申請して、クォータの上限値を引き上げる必要があります。
AWS上限緩和申請の事例は、以下のとおりです。
- ・Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)のインスタンスを追加したいので、起動台数の上限値を増やす
- ・Amazon EC2のインスタンス追加によるシステム拡張で、ELB(Elastic Load Balancing)の上限値を増やす
- ・Amazon EC2で利用するElastic IPの数を増やしたいので、上限値を増やす
このようにAWS上限緩和申請は、システム追加や拡張に伴って必須となる手続きです。システム管理者にとって、日常的に手掛ける業務のひとつとなるでしょう。
サービスクォータの確認と上限緩和の可否
サービスクォータを調べる方法
- サービスクォータを調べる方法は、3つあります。
- (1) デフォルトの上限値であれば、公式サイトのリファレンスガイド「サービスエンドポイントとクォータ」を参照
- (2) 最新のサービスクォータを調べるには、AWS Service Quotas コンソールにログインして参照
- (3) 最新のサービスクォータを調べるには、list-service-quotas コマンドとlist-aws-default-service-quotas AWS CLI コマンドを使用
- 詳細は、別記事「AWSサービスクォータを調べる方法」をご参照ください。
上限緩和の可否は?
(1)のレファレンスガイドは、サービスクォータのデフォルト設定だけでなく、上限値を調整可能かどうか、案内しています。上限緩和を申請するにあたり、特定サービスの何を申請できるのか、把握しておきましょう。
もちろん、前述のAWS Service Quotas コンソールにアクセスして、申請できるかどうか、コンソール上で確認するのも一手です。
クォータ引き上げの上限緩和申請
AWSアカウントまたはサービス単位のクォータを引き上げる際、上限緩和申請の方法は2つあります。
- (1)AWS Service Quotasコンソールから上限緩和申請
- (2)カスタマーケースを作成して上限緩和申請
- (3) AWSパートナーに依頼
それぞれを見てみましょう。
AWS Service Quotasコンソールから上限緩和申請
2019年にAWS Service Quotasコンソールが登場して、AWS Service Quotasコンソールを通じた上限緩和申請が主流になっています。AWSアカウント単位、サービス単位で、上限緩和申請を出すことができます。
公式サイトでは、AWSアカウントのサービスクォータを確認する方法、またクォータの上限緩和を申請する方法を案内する10分程度のチュートリアルが用意されています。ぜひ、お役立てください。
さて、大半のサービスは、AWS Service Quotasコンソールに対応していますが、中には未対応のサービスも。そういった時は、AWSサポートセンターへ申請します。
AWSサポートセンターへ上限緩和申請
AWS Service Quotasコンソールは便利ですが、サービスすべてに対応している訳ではありません。AWS Service Quotasコンソールで申請できないものがあれば、AWSサポートセンターに対して上限緩和申請を行います。
AWS マネジメントコンソールにログインします。そして、AWSサポートでカスタマーケースを作成します。必要な情報を添えてサービスの上限緩和リクエスト(Service Limit increase)を申請して、サポートからの連絡を待ちましょう。
AWSパートナーに依頼
AWSの公式パートナーである「AWSパートナー」に依頼して、上限緩和申請を手配する方法もあります。AWSパートナーが提供するAWS請求代行サービスを利用すれば、AWSパートナーによる業務サポートを受けられるようになります。上限緩和を希望する時は、AWSパートナーに連絡して、どのサービスをどう引き上げたいのか伝えるだけです(図1. AWSパートナーであるCloudCREW byGMO経由で上限緩和申請するイメージ)。忙しいシステム管理者の時間を有効活用するためにも、面倒な管理業務を極力負担のないように手配してしまいましょう。
図1 AWSパートナー経由で上限緩和申請するイメージ
初期費用・月額料金0円で、AWSを定額より安く利用できるAWS請求代行サービスは昨今注目を集めており、積極的に導入する法人は増えています。AWS利用料だけでなく、日常的な管理業務を効率化してコスト削減できる点が人気を博しています。
AWSパートナーである当社が運営する「CloudCREW byGMO」も、初期費用0円、月額費用0円の「AWS請求代行サービス」をご用意しています。また、運用代行を行うサービスも。AWSのコスト削減や運用効率化に興味がある方は、対面/電話による無料相談窓口や詳しいサービス資料をご用意していますので、お気軽にご相談ください。
AWS上限緩和申請後、反映されるまでの時間
さて、AWS上限緩和申請を行った場合、反映されるまでどれくらい時間がかかるのでしょうか?公式サイトによると、申請内容によって、対応時間、日数が異なるようです。クォータの引き上げは、すぐには行われません。反映されるまで数日かかる場合もあります。
まとめ
当記事では、AWSにはサービスクォータと呼ばれるデフォルトの上限値がある点、そしてサービスクォータの調べ方、上限緩和申請の方法などをご紹介しました。
ご自身で管理業務を担う場合、サービスクォータの確認や申請はAWS Service QuotasコンソールやAWSサポートセンターを利用して行えます。AWS請求代行サービスを利用している場合は、AWSパートナーに依頼をするだけです。
クォータの引き上げには、数日かかる場合もありますので、システム追加、システム拡張などを予定しているのであれば、時間に余裕をもって申請して、クォータの引き上げを手配しましょう。
AWSパートナーであるGMOクラウドが運営するCloudCREW(クラウドクルー)では、24日365日AWSの監視・運用を代行するAWS運用代行サービス「マネージドクラウド for AWS」をご用意しています。上限緩和申請も迅速に代行いたします。ご興味がある方は、対面/電話による無料相談窓口をご用意していますのでお気軽にご相談ください。
初回掲載日:2022年10月11日 更新日:2023年1月11日
参考:[AWS入門] AWS請求代行を考える時に読みたい記事6選
- 文献
- 監修
- GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営するCloudCREW byGMOでご紹介する記事は、AWSなど主要クラウドの認定資格を有するエンジニアによって監修されています。