【利用シーン】新しくサーバーを作るとき。
こんにちは、GMOクラウド金山です。
この記事は、どこかでだれかに受けた質問に、できる限り簡潔に長々と回答する記事です。(質問募集中)
【質問】
ISOイメージでのOSインストールと、テンプレートでのOSインストールはなにが違うの?
【回答】
ISOイメージでのOSインストールは、新しくサーバーを作ること。
テンプレートでのOSインストールは、すでにある(あった)サーバーを複製・復元すること。
【解説】
今回の回答を詳しく説明するためにも、ここでは、「OSをインストールする」ということそのものを見ていきます。
(1)OSのインストールってなにしてるの?
サーバーにOSは必須ですので、必ずOSインストールが行われます。
前提の知識として、インストールというのは、ソフトウエアをコンピューターで利用可能にすることです。
つまりOSのインストールというのは、OSを利用可能にすることですね。
それではわかりやすくするために、ここにOSの入っていないハードウエアと、OSのインストールを行うために必要なDVDがあるとしましょう。
このDVDの中には、OSの核となる部分や、FTPサーバーになるためのソフトウエアやWebサーバーになるためのソフトウエアなどの、さまざまなソフトウエアが入っています。
このDVDから、ハードウエアへ、OSの核の部分や、必要なソフトウエアを選びながら、インストールしていきます。
これが、OSのインストールと呼ばれるものです。
さてここで、DVDが使えない状況というのを想定してみましょう。
例えば、遠くにあるハードウエアにOSをインストールする必要がある場合はどうすればよいのでしょうか?
ほかにも、OSをインストールしたい人たち全員に、DVDを配るのも現実的ではないでしょう。
そこで、OSの入ったDVDを、ISOイメージファイルというものにして、これを利用してOSのインストールをしようという話になります。
(2)ISOイメージファイルってなに?
ここから本題に入っていきましょう。
ということで、まずは言葉を分割してみてみます。
まず、ISOというのは、国際標準機構(ISO)が定義しているということです。
例えば、ISO9001(品質の国際標準)やISO27001(情報セキュリティ)など、企業が取得をアピールしているので、よく聞くものではないでしょうか。
ISOイメージファイルは、世界中で利用されるものなので、国際標準で形式が定義されています。
次に、イメージファイルというのは、そっくりそのまま同じファイルという意味です。
イメージ(Image)を辞書で調べてみると、「鏡やレンズによって作られる像」とあります。つまりそっくりそのまま同じなファイルです。
何と、そっくりそのまま同じなのかというと、上記(1)の中でOSのインストールに利用したDVDです。
OSのインストールに必要なDVDが、ファイル化(データ化)してあれば、DVDを手元で利用できない遠隔でもOSのインストールを行えますし、世界中で配られていれば、必要な人が自由にいつでも利用することができます。
インターネット上にあれば、いつでもどこでもファイルを取得できますからね。
つまり「OSのISOイメージファイル」とは、
「世界中で利用できるように標準化されている、OSのインストールに必要なものがそっくりそのまま入ったファイル」です。
(3)ISOイメージでのOSインストールは、新しくサーバーを作ること
DVDからであろうと、ISOイメージからであろうと、これらは同じものという認識なので、同じようにOSをインストールすることができます。
ハードウエアの中に、ISOイメージを利用して、OSの核や、必要なソフトウエアなどをインストールしていけば、サーバーを作ることができます。さらに、OSをインストールするときには、必要なソフトウエアを選ぶだけでなく、さまざまな設定も行います。利用する言葉は何にするかから始まり、どの国の時間に合わせるか、パスワードは何にするかなどといったことを、設定していきます。
OSのインストールというのは、毎回この作業を行うということです。
違うソフトウエアをインストールしたり、パスワードを変えたりすることになります。
そのため、OSのISOイメージからのインストールは、新しくサーバーを作るという表現になります。
同じ設定を行ったサーバーを複数作成したかったり、サーバーごとバックアップしたかったり、誰かに配布したかったりする場合もあります。そのようなときには、テンプレート化してしまいます。
(4)テンプレートでのOSインストールは、すでにある(あった)サーバーを複製・復元すること
ここからは基本的に、クラウドサーバーなどの、サーバーが仮想化されている環境で利用可能なものです。
テンプレート化とは、サーバー自体をイメージ化してしまうことです。
物理サーバーをイメージ化(データに)することはできませんが、もともとデータである仮想サーバーであれば可能です。
サーバーの中には、さまざまな設定が入っています。必要な設定が完了した状態で、テンプレート化することで、毎回はじめからの設定をする必要がなくなります。
このように、自分だけのオリジナルの状態で残すことが、テンプレート化であり、
そこから、OSのインストールを可能にすることが、テンプレートでのOSインストールになります。
(なので、OSがインストールできるというより、仮想サーバーの作成ができるといったほうが、今回の説明がしっくりくると思います)
簡潔な説明を行うために、実際とは変えて説明している箇所もあることを注記させていただきます。
今回はここまでとなります。お付き合いいただきありがとうございました。