【利用シーン】仮想サーバーのOSのアップデートなど、本番環境に変更を加えるとき
ディスクスナップショットと呼ばれる機能を用いて、クラウド上の本番環境をまるごと複製する方法です。この方法を用いれば、パッチテストやバージョンアップテスト、本番環境と同じ開発環境の構築などが可能です。
例えば、OSにパッチを当てたり、アップデートしたりする際には、システムの予期せぬ停止や動作、データの消失といったリスクが伴うため、いきなり本番環境に手を加えるのは賢明ではありません。そこで本番環境の複製を作成し、この環境で検証を行った上で、何も問題がなければ修正内容を本番環境に適用するというやり方が一般的です。ところが物理サーバーで本番環境の複製を作成するとなると、まったく同じハードウェアや同一バージョンのOSをそろえなければならず、その準備に莫大なコストや手間がかかってしまいます。長年にわたって使い続けてきた本番環境の場合、旧式化したハードウェアやOSが入手困難で、まったく同じ環境を構築できないケースもあるでしょう。
一方、クラウド上の仮想サーバーであれば、ディスクスナップショットと呼ばれる機能を用いて、論理的にサーバーを複製できるため、ハードウェアやOSを探し回る必要はありません。もし必要であれば、サポートの切れたOSでさえ、複製することが可能です。
具体的にはまず、運用中の本番環境のバックアップを取得しテンプレート化します(このとき、OSを含まないデータディスクからでは起動できないため、本番環境の複製として利用できません。テンプレートを作成するときには、ブート可能なルートディスクを選んでください)。こうして作成したテンプレートは、本番環境とまったく同じ内容を持つイメージファイルで、アプリケーションのデータや設定も含めて保存されています。このテンプレートから仮想サーバーを作成すれば、そのまま本番環境の複製として利用することができます。
「本番環境にパッチを当てたい/バージョンアップを実施したい」ときや「本番環境を完全に再現した開発環境を構築したい」ときには、このやり方で複製を作成すれば、ハードウェアやOSを用意し、環境を作り直す手間が省けるだけでなく、本番環境への影響を確実にチェックできます。仮にこれでトラブルが発生した際には、複製を使って対策を検討することも可能でしょう。
なお、ディスクスナップショット機能は、任意の時点の仮想サーバーのルートディスクやバックアップを作成するだけでなく、週次・月次などのタイミングで自動的にバックアップを取得することも可能なため、定期的にバックアップを行いたいときにも便利です。
テンプレート化とボリューム化
スナップショット機能を用いて取得したバックアップデータは、テンプレート化/ボリューム化することができます。 本番環境をOSまで含めてまるごと複製し、まったく同じ検証環境を構築したいときは、テンプレート化を行います。一方、本番環境の一部のデータを保存しておき、それを用いてテストを行ったり、何かあったときに元に戻したりしたいときにはボリューム化を行います。 これらは状況に応じて使い分けてください。
【GMOクラウド ALTUSでの利用方法】
GMOクラウドALTUS(以下、ALTUS)で本番環境を複製するには、ディスクスナップショット機能を使って仮想サーバーの環境をまるごと保存します。このバックアップをテンプレート化し、新たに構築する仮想サーバーへ適用することで、本番環境とまったく同じ検証環境を構築できます。
【操作手順】
「参照ページ」はALTUS Basicシリーズ、Isolateシリーズのサポートページになります。
(1)ALTUSのコンソールにログインします。
【参照ページ】コンソールガイド(Basicシリーズ)
【参照ページ】コンソールガイド(Isolateシリーズ)
(2)ディスクスナップショット機能を使って本番環境の複製を作成します。
【参照ページ】仮想サーバーのスナップショットの作成(Basicシリーズ)
【参照ページ】仮想サーバーのスナップショットの作成(Isolateシリーズ)
(3)スナップショットからテンプレートを作成します。
【参照ページ】テンプレートの作成(Basicシリーズ)
【参照ページ】テンプレートの作成(Isolateシリーズ)
(4)テンプレートから仮想サーバーを作成します。これで本番環境を複製できます。
【参照ページ】仮想サーバーの作成(Basicシリーズ)
【参照ページ】仮想サーバーの作成(Isolateシリーズ)