社内で大量の顧客データや業務データを扱うとき、その扱いに困った経験はないでしょうか。最初はスプレッドシートやExcelを使っていたが、データ量が増えてきて扱いに困ってきた人も多いでしょう。
本記事ではデータベース管理システムの導入についてご紹介します。
目次
データベース管理システム(DBMS)とは
データベース管理システム (以下、DBMS) とは、データベースを管理するためのコンピュータソフトウェアです。
DBMSは、データの格納、検索、更新、削除などの操作を行い、効率的なデータ管理を可能にします。SQL(Structured Query Language)と呼ばれるデータベース言語を使用して、データベースへのアクセスを提供します。
一般的なDBMSには、Oracle Database、Microsoft SQL Server、MySQL、PostgreSQLなどがあります。これらのシステムは、多数のユーザーが同時にデータベースにアクセスすることができ、セキュリティ、信頼性、効率性などの重要な機能を提供します。
データベース管理システム(DBMS)の種類
ここではDBMSの種類を4つご紹介します。
種類1.階層型データベース
階層型データベースは、データを木構造のような階層構造で表現することが特徴です。関連データを親子関係で組織化することで、データモデルがシンプルで理解しやすく、高速なアクセス性能を持つことができます。
階層型データベースのメリットは、大規模なデータ処理に適しており、データの整合性を保ちやすく、親子関係に基づいてデータを簡単に取り出せることです。
一方、デメリットはデータの柔軟性が低いことです。データの構造が固定的で、データの変更に伴って全体の構造を変更する必要があります。
階層型データベースは、規模の大きな企業や、ビッグデータを扱う企業に向いています。
種類2.ネットワーク型データベース
ネットワーク型データベースは、複数のテーブルを「セット」として扱い、各テーブルが複数の親子関係を持つことができます。そのため、階層型データベースよりも柔軟で複雑なデータ構造を表現することができます。
ネットワーク型データベースのメリットは、階層型データベースに比べて、複雑な関係性を持つデータを効率的に表現できることです。
またデメリットは、データの依存関係が複雑になるため、データの管理が困難になりやすいことです。
ネットワーク型データベースは、大規模な企業や組織、複雑な業務プロセスを持つ企業におすすめされます。
種類3.リレーショナルデータベース(RDB)
リレーショナルデータベースは、表形式でデータを管理し、複数のテーブルに分割して管理するデータベースの一種です。データの関連性を表現するため、各テーブルにキーを設定し、キーを利用してテーブルを結合してデータを取得することができます。
リレーショナルデータベースのメリットとしては、データの整合性が高く、冗長性が低いこと、複数のテーブルを関連付けて扱うことができること、などが挙げられます。
一方、デメリットは大量のデータを扱う際のパフォーマンスが劣ることです。
リレーショナルデータベースは、複雑なデータの構造を持つ企業や、大量のデータを管理する必要がある企業におすすめです。
種類4.NoSQL
NoSQLの特徴としては、スケーラビリティが高く、大量のデータを分散処理することができること、柔軟なデータモデルを持ち、スキーマレスなデータベースを構築できること、などが挙げられます。例えばドキュメント型、キー値型、ワイドカラム型、グラフ型を扱うことができます。
NoSQLのメリットとしては、大量の非構造化データを扱うことが容易であることが挙げられます。
デメリットとしては、トランザクションの完全性が担保されないこと、データ整合性が低いこと、複雑なクエリの実行が難しいこと、データモデリングが難しいことなどが挙げられます。
NoSQLの導入をおすすめする企業は大量の非構造化データを扱う必要がある企業です。
データベース管理システム(DBMS)と表計算ソフトの違いは?
データベース管理システムを導入しておらず、ExcelやGoogleスプレッドシートを利用しているという方も多いでしょう。
ここでは両者の違いについてご紹介します。
種類1.データベース管理システム
データベース管理システム(以下、DBMS)は、データの集約管理が容易であること、複数ユーザーによる同時アクセスが可能であること、複雑な検索・更新が可能であることが特徴です。
また、多くのDBMSはSQLを使用するため、汎用性が高く、様々なプログラミング言語からアクセスが可能です。
DBMSを導入すべき企業の特徴としては、膨大なデータ量や複雑なデータ構造を扱う必要があること、複数ユーザーが同時にデータを扱う必要があることなどが挙げられます。
種類2.表計算ソフト(エクセル/スプレッドシート)
表計算ソフトウェア(エクセル/スプレッドシート)の特徴は、数式を用いて簡単に計算ができる点です。
また、データを表形式で管理でき、ソートやフィルタリングなどの機能により効率的にデータ処理ができます。
扱うデータ量が比較的少なく複雑な関係性を持たない場合、あるいは操作が容易であり担当者が簡単に利用できるようなツールが必要な場合、DBMSではなく表計算ソフトを導入することをおすすめします。
データベース管理システムの選び方
DBMSにはいろいろな種類がありますので、ここではそれらの中から選ぶときの基準についてご紹介します。
自社の目的・運用方法に合ったものを選ぶ
DBMSを選ぶ際は、自社の目的や運用方法に合ったものを選ぶことが重要です。また、データ構造の種類によって、適した用途が異なるため、どのようなデータを扱うかを事前に把握し、それに適したデータベースを選択する必要があります。
選択ミスによっては、効率が悪くなるだけでなく、重要なデータが失われる可能性もあるため、慎重な検討が必要です。
できる限り無料版で仕様を確認する
DBMSを導入する前に、自社の業務や要件に合うかどうかを確認することが重要です。無料版を試してみることで、そのシステムが自社にとって適しているかどうかを確認できます。
また、無料版を使って評価した場合、実際に導入する前にシステムの使い勝手や機能についてより深く理解することができます。これによって、導入後のトラブルを防ぎ、スムーズな業務運営ができます。
おすすめのデータベース管理システム
おすすめのDBMSをいくつかご紹介します。
Oracle
Oracleが提供するDBMSには、Oracle Database Standard Edition 2、Oracle Database Enterprise Edition、Oracle Database Express Edition、Oracle Database Cloud Serviceなどがあります。
それぞれ異なる機能や性能を持ち、企業のニーズに応じて選択することができます。Oracle Databaseは高い信頼性、拡張性、高可用性、セキュリティ性能を持ち、大規模なトランザクション処理に適したデータベース管理システムとして有名です。
OracleのDBMSは、大量のデータ処理と高い信頼性が求められる金融、製造、通信、エネルギー、公共機関などの企業におすすめです。
MySQL
MySQLは、オープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで、高速で信頼性が高く、拡張性があります。
データセキュリティに加えて、高度なアクセス制御、クエリ最適化、レプリケーション、スケーラビリティなどの機能を提供し、多数のプログラミング言語に対応しています。
MySQLは、ウェブアプリケーションやモバイルアプリケーション、クラウドサービスのバックエンドなど、多くの分野で使用されています。また、オープンソースであるため、カスタマイズ性が高く、開発者にとっても非常に使いやすいDBMSです。
DB2
DB2は、IBMが開発したリレーショナルデータベース管理システムで、高い信頼性、スケーラビリティ、セキュリティ、可用性を備えています。また、大規模なデータ処理や複雑なデータ構造にも対応でき、高度な分析やビジネスインテリジェンスにも利用されています。
DB2は、金融、保険、医療、製造、小売、通信など、多くの業界において広く利用されています。特に、大量のデータを扱う必要がある企業に向いており、金融取引、在庫管理、顧客情報管理、ビッグデータ分析などに利用されています。
データベース管理を効率化するなら、無料から使える管理システム『FileMaker』がおすすめ
これまでご紹介してきたように、DBMSには様々な種類がありますが、その中でも初心者でも始めやすく、無料から使えるFileMakerをおすすめします。
FileMakerは、直感的なインターフェースと高度な機能性を備えた低コードのデータベースソリューションで、迅速でカスタマイズ性が高いという特徴を持ちます。
※関連記事:FileMaker(ファイルメーカー)とは?初心者向けに解説!
まとめ
DBMSはデータベースを管理するソフトウェアで、データの操作やアクセスを提供します。階層型、ネットワーク型、リレーショナル型、NoSQLなどの種類があります。DBMSを選ぶ際は自社の目的や運用方法に合ったものを選ぶようにしましょう。
初心者向けのDBMSであるFileMakerをサーバーとして導入を検討するのであれば、6000件以上の導入実績を持つALTUSがおすすめです。