2016.04.29

うちのファイルサーバー遅すぎ・・・!?2つの速度から導入を考えよう

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こんにちは。フリーエンジニアの木下です。

早速ですが「ファイルサーバーが遅い。」とユーザーから対処依頼を受けたことはないでしょうか?
ファイルサーバーが遅い、と評される要因には名前解決や認証などのシステム構成に起因する遅さもありますが、根本的にハードウェアが遅い場合も多々あります。
今回は「ファイルサーバーを構築するならネットワークとストレージの速度を考慮する」ための知識についてご紹介します。

まずはネットワークから

ファイルサーバーからユーザーPCまでのLAN(イーサネット)の転送速度も構築の際には考慮する必要があります。
近年ではL2スイッチの技術革新によってギガビットイーサ(1Gbpsの転送速度を持つ)スイッチが一般的ですが、古いL2スイッチではファストイーサ(100Mbpsの転送速度ギガの10分の1の速度を持つ)スイッチが使われている場合もあります。ファイルサーバーからユーザーPCまでの経路にファストイーサスイッチで通信している箇所があれば、そのスイッチがボトルネックとなってしまい速度は低下します。
近年では10GbE(ギガビットイーサの10倍の転送速度)のスイッチも高額ですが徐々に導入事例が増えています。
ファイルサーバーに向かってくる全ユーザーPCからのトラフィックの最大通信量はどれくらいかを考慮し、ネットワーク帯域と構成を決定することが、運用後にユーザーから「遅い」と言われないための備えとなります。

サーバー自体のスペックも必要です

ネットワークの通信速度が満足に出せたとしてもサーバー自身の速度が出せなくては、やはりユーザーからみると「遅いファイルサーバー」という評価を受けてしまいます。
このサーバー自身で速度が出ない要因(となるボトルネック)第一位はHDDのI/Oです。
次点で接続ユーザー数を捌くためのメモリ容量不足が考えられます。
メモリ不足はメモリを追加する以外の手がないのでそれほど対処において考慮することは少ないのですが、HDDのI/Oは構築時に一番注意して選定すべき要素の一つです。

ファイルサーバーのストレージはある程度のユーザー数が見込まれる場合に、一般的なPCで利用されるSATAディスクを利用するケースは少ないです。例えば廉価なNASなどではSATAディスクをRAID化した製品が多いため、廉価なNAS製品では捌けない規模のユーザー数を抱えてしまうと「遅いファイルサーバー」と評されることになってしまいます。
では何を利用するかといえば、サーバー用HDDの規格SASディスクを利用することが多いです。

160428_fileserver_scr01規格としてのSASはSATAに比べ転送速度が高速です。読者の方がどのHDDを選択すればいいのか、の一助となるようサーバー用HDDの特徴についてもう少し詳しくご説明します。
前述の注意点である「HDDのI/O」とは読み書き性能のことで、HDDの種類によってその性能が決まるという特徴があります。具体的には以下のようになります。
SSD(SAS型)>HDD(SAS型)>HDD(ニアラインSAS)>HDD(SATA型)
※コンシューマで流通しているSATA型のSSDは書き込み寿命の観点からここでは含みません。
※すべてサーバー用ストレージの前提です。PC用のストレージとは異なります。

SAS型のSSDやHDDは容量単価が高く、SATAディスクは容量単価が安く済みます。
読み書きの速度や信頼性は価格に比例することになります。

一例として選択肢を環境に当てはめてみます。
例えば、DBサーバーにおいてトランザクションファイルの書き込みが頻繁に発生するといったディスクI/Oにスペックを非常に要求される環境のサーバーを構築する場合には、ストレージに対する投資は惜しむわけにはいきません。この場合にはSAS型のSSDでRAID6/10などを構成し最高のI/Oパフォーマンスを発揮できるようにサーバーを構成します。
例えば、バックアップサーバーのストレージのようにそれほど重要性が高くないが容量単価を抑えて大容量の保存場所を構築したい場合にはSATA型のHDDでRAID5/6などを構成し、ほどほどの性能で広大な記憶領域を調達するように構成を決定します。

ここでファイルサーバーはどれを選択するかと言えば、SAS型のHDDでRAIDを構成しストレージを用意することが多いです。
本原稿時点の値ごろ感ではSAS型SSDとSAS型HDDでは価格差が10倍程度になります。今後の技術革新で価格差は小さくなる可能性はありますが、SSDは要求される投資額が多額となり現実的な価格にならないことが多いです。

160428_fileserver_scr02しかし安価なニアラインSASやSATA型のHDDでは、24時間365日の連続稼働を前提としていない設計となる記憶媒体ですので、ファイルサーバーとして24時間365日稼働させるストレージに使用するには性能不足であることは否めません。

よって、現実的なところでは、ファイルサーバーのストレージは「SAS型HDDでRAIDを構成し、共有フォルダが保管されるパーティションを作成する。」ということが多数派のように見受けられます。
※当然、システム設計する担当者によって、この指針は変わりますので、世の中すべてがこの構成になっているというわけではありません。

最近ではVPSやIaaS(Infrastructure as a Service)を提供するクラウドでもストレージにSSDオプションを選択できるサービスが増えています。また、単純にIaaSクラウドでVM構築時にHDDを選択する場合にディスクの種別としてSASで高価な高性能を採るか、SATAで安価な低性能を採るかという選択が可能なIaaSサービスもあります。

クラウドプラットフォームでもこのように選択が可能になっている昨今ですので、ぜひ、クラウドでもオンプレミスでもファイルサーバーを構築するのであれば、ストレージの速度や特徴を考慮し、ベストな選択ができるよう本記事が参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

木下肇

木下肇

東京/神奈川を中心に、都内中堅企業ではシステム部門の一員として部内インフラ業務に、別の小規模企業ではインフラ全般について管理業務の委託を受けるフリーエンジニア。オンプレミスの企業内インフラからクラウド環境のサーバ/ネットワークまで、OS守備範囲はWindowsからLinuxまで、障害の診断や修復/修理であればソフトからハードまで、幅広い守備範囲で日々お客様の業務を遂行しています。
お仕事のご相談はコチラ⇒http://www.treedown.net/

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