【利用シーン】
クラッシュした仮想サーバーを再構築し、同一のグローバルIPアドレスでサービスを再開したいとき。新たに開発するサービスのDNS登録を事前に済ませておくことで、本番サービスを迅速に提供したいとき。新たに開発するサービスのDNS登録を事前に済ませておくことで、本番サービスを迅速に提供したいとき。
ある仮想サーバーから別の仮想サーバーへ、同一のグローバルIPアドレスを移し替える技です。
システムを運用する際には、それぞれのサーバーに固定されたグローバルIPアドレスを割り振る必要があります。これは、クラウド上に仮想サーバーを構築したときも同様です(正確には、払い出されたグローバルIPアドレスと仮想サーバーが静的NATで紐付けられます)。
さてこのとき、サービス稼働中の仮想サーバーに何らかのトラブルが発生したとしましょう。バックアップから仮想サーバーを再構築、あるいは新たに仮想サーバーを構築すれば、システムそのものは復元できますが、この仮想サーバーには新しいグローバルIPアドレスが自動的に付与されるため、それまで使っていたIPアドレスとは別のものになってしまいます。そのため、新しく構築した仮想サーバーでサービスを継続するためには、IPアドレスなどの設定をすべて修正する必要があり、その間はサービスを停止せざるを得ません。
そんなときに役に立つのが、仮想サーバーに割り振られたグローバルIPアドレスを別の仮想サーバーに移し替えるこの技です。仮想サーバーや仮想ルーターに割り振られたグローバルIPアドレスを保持したまま、それを新たに構築した仮想サーバーへ移し替えることによって、設定変更なしでサービスの継続が可能になります。
なお、クラウドの種類によっては、仮想サーバーを再起動するたびにグローバルIPアドレスが変わってしまうこともあります。継続してサービスを提供するためには、例えばElastic IPのように固定IPアドレスを割り当ててもらうオプション契約が必要となる場合もありますので、利用の際は注意が必要です。
Elastic IPアドレス
Elastic IPアドレスとは、Amazon Web Services(以下、AWS)が有償オプションとして提供している固定のグローバルIPアドレスのことです。
ALTUSとは異なり、AWSでは仮想サーバーを再起動するだけで他のIPアドレスが割り振られてしまうため、継続的にサービスを提供する際は、Elastic IPアドレスの契約が必要です。
GMOクラウド ALTUSでの利用方法
GMOクラウドALTUS Isolateシリーズ(以下、Isolateシリーズ)は、仮想ルーター側にグローバルIPアドレスを保持する機能を備えています。また、仮想ルーターには、1アカウントあたり最大で100個のグローバルIPアドレスを保持させることができます(※有償オプション)。
また、仮想ルーターに保持されたIPアドレスは、明示的に開放しないかぎり保持され続けるため、仮想ルーターにつながっている他の仮想サーバーや、再構築したサーバーに割り当てることができ、サービスの継続的な提供が可能になります。
一般に、新しく構築した仮想サーバーのDNSの設定は、インターネット全体に行き渡るまでに最大で約24時間かかりますが、事前に仮想ルーターへ割り振っておくことで、立ち上げ直後から安定した運用が可能になります。
なお、仮想ルーターを削除した場合は、それまで紐付いていたグローバルIPアドレスは全て開放されてしまうため、新たに作成した仮想ルーターで同一のIPアドレスを使うことはできません。ご注意ください。
【操作手順】
「参照ページ」はALTUS Basicシリーズ、Isolateシリーズのサポートページになります。
(1)ALTUSのコンソールにログインします。
〈参照ページ〉コンソールガイド(Basicシリーズ)
〈参照ページ〉コンソールガイド(Isolateシリーズ)
(2)新たに仮想サーバーを構築し、IPアドレスを設定します。
〈参照ページ〉仮想サーバーの作成(Basicシリーズ)
〈参照ページ〉仮想サーバーの作成(Isolateシリーズ)
(3)仮想サーバー(Basicシリーズ)もしくは仮想ルーター(Isolateシリーズ)に紐付けられたIPアドレスは、仮想サーバーもしくは仮想ルーターを削除するまで保持されます。
〈参照ページ〉仮想サーバーの削除(Basicシリーズ)
〈参照ページ〉ネットワーク(仮想ルーター)の削除(Isolateシリーズ)