2023.01.31

KUSANAGIを使ってWordPressをインストールしてみた(後編)

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KUSANAGIを使ってWordPressをインストールしてみた(後編)

こんにちは、すずきです。

今回は、WordPressです。クラウドVPS byGMO(以降、クラウドVPS)上のOS「KUSANAGI」を使って、WordPressをインストールしてみました。前編では、KUSANAGIの初期設定を始める前準備(KUSANAGIを使ってWordPressをインストールしてみた(前編)」)をご紹介いたしました。後編では、KUSANAGIの初期設定をみてみましょう。

目次

  1. KUSANAGIの初期設定
    1. KUSANAGIのアップデート
      1. 初期化コマンド(kusanagi init)の実行
      2. タイムゾーンの設定
      3. システムロケールの設定
      4. キーボードレイアウトの選択
      5. ローカルユーザーのパスワードを設定
      6. SSHユーザー鍵
      7. ウェブサーバーの選択
      8. アプリケーションサーバーの選択
      9. データベースの選択
    2. KUSANAGIのプロビジョニング(配置)
      1. WordPressインストール時の言語選択
        1. ホスト名の設定
        2. SSL証明書の発行
        3. データベース名の設定
        4. データベースユーザー名、パスワードの設定
      2. WordPresのインストール
        1. WordPressトップページの確認
      3. その他の設定
      4. まとめ

KUSANAGIの初期設定

KUSANAGIには、初期化用に専用のコマンド(kusanagi init)が用意されています。

タイムゾーンやロケールなどのシステム環境や、ウェブサーバーやデータベースなどのコンポーネントを、対話形式で設定できます。

KUSANAGIのアップデート

まずは、KUSANAGI自体を最新版にアップデートしましょう。

ここからはWEBコンソールを使用して作業します。

Webコンソールでは、文字列のコピーペーストができないので注意です。

ただ、タブキーを使うと、ファイル名やコマンド名を補完してくれますので、上手に活用しましょう。

WEBコンソールにログインするには、VPSパネルの左ペインから[VPS]をクリックします。

さらにVPSサーバーの[管理]メニューから、[Webコンソールを開く]をクリックします(図4)。

Webコンソールにアクセス
図4 Webコンソールにアクセス

WEBコンソールが表示されます(図5)。

Webコンソールを利用する
図5 Webコンソールを利用する

画面のコンソール部分(「kusanagi login:」と表示されているあたり)をマウスでクリックしてから、ログイン名(root)とパスワードを入力して、ログインします。

ログインに成功すると、以下のようにプロンプトが表示されます(図6)。

プロンプト表示
図6 プロンプト表示

さて、KUSANAGIパッケージをアップデートしましょう。以下のコマンドを実行します。

yum update kusanagi -y

画面に「Completed!」と表示されれば、アップデート完了です(図7)。

KUSANAGIパッケージをアップデート
図7 KUSANAGIパッケージをアップデート

ついでに、システムで使用するレポジトリも更新しておきましょう。以下のコマンドを実行します。

yum --enablerepo=remi,remi-php56 update -y

こちらも「Completed!」と表示されたら、完了です。

ここで、いったんシステムを再起動しておきましょう。以下のコマンドを実行します。

reboot

rebootコマンドを実行したあと、少したってから、再びWebコンソールを開きます。

初期化コマンド(kusanagi init)の実行

KUSANAGIの初期化を開始しましょう。Webコンソールにrootユーザーでログインして、以下のコマンドを実行します。

kusanagi init

タイムゾーンの設定

まずは、タイムゾーンの設定画面が表示されます(図8)。

タイムゾーンの設定画面
図8 タイムゾーンの設定画面

画面の一番上に、「Search or select timezone:」と表示されています。

キーボードから「tokyo」と入力してみましょう。

「Asia/Tokyo」が自動的に絞り込まれます(図9)。

「Asia/Tokyo」を絞る
図9 「Asia/Tokyo」を絞る

ここで、キーボードのEnterキーを押して、次に進みます。

システムロケールの設定

次はシステムのロケールを選択します(図10)。

システムロケールの設定
図10 システムロケールの設定

ここでは、日本語を選択しましょう。

キーボードから「2」を入力して、Enterキーを押します。

キーボードレイアウトの選択

次は、キーボードレイアウトの選択です。

Webコンソールからキーボードを選択
図11 Webコンソールからキーボードを選択

日本語キーボードを選択しましょう。キーボードから「2」を入力し、Enterキーを押します(図11)

ローカルユーザーのパスワードを設定

次は、ローカルユーザー「kusanagi」のパスワードを設定します。

「New password:」と表示されているところに、キーボードからパスワードを入力して、Enterキーを押します。

キーを押しても画面に文字は表示されませんが、きちんと入力されています。焦らずに。

確認のために、もう一度同じパスワードを入力してから、もう一度Enterキーを押します。

パスワードを入力
図12 パスワードを入力

画面に「passwd: all authentication tokens updated successfully.」と表示されれば、成功です(図12)。

SSHユーザー鍵

ローカルユーザー「kusanagi」のパスワードを設定したら、次はそのSSHユーザー鍵を生成します。

「Enter passphrase (empty for no passphrase):」と表示されるので、パスフレーズをキーボードから入力しましょう。確認用も合わせて2回入力が必要です。

ウェブサーバーの選択

次はウェブサーバーを選択します。

Webサーバーを選択
図13 Webサーバーを選択

今回は、デフォルトのNginxを選択します。キーボードから「1」を入力し、Enterキーを押します(図13)。

Nginxの設定ファイルの作成など、すべて自動で行ってくれます。

アプリケーションサーバーの選択

次はアプリケーションサーバーの選択です。

PHPの選択
図14 PHPの選択

PHPの各バージョン(5、7、8)と、HHVMが選択できますが、今回はデフォルトの「PHP8」を選択します(図14)。

キーボードから「1」を選択して、Enterキーを押します。

データベースの選択

次は、データベースの選択です。

データベースの選択
図15 データベースの選択

ここでは「MariaDB」を選択しましょう。MariaDBはMySQLと互換性を持つデータベースです。

「1」を入力して、Enterキーを押します。

MariaDBが自動的に再起動したあとに、今度はMariaDBのrootパスワードを設定します。

データベースのパスワード設定
図16 データベースのパスワード設定

確認のために、2回パスワードを入力します。

画面に「Complete!」と表示されたら、パスワードの設定は成功です(図16)。

残りの設定が自動的に行われますので、そのまましばらく待ちましょう。

最後に、「KUSANAGI initialization completed」と表示されたら、KUSANAGIの初期設定は完了です(図17)。

設定完了
図17 設定完了

KUSANAGIのプロビジョニング(配置)

初期設定が完了したので、続いてKUSANAGIのプロビジョニング(配置)を行います。

KUSANAGIでWordPressを使用するための「プロファイル」を作成して、WordPressの動作に必要な設定ファイルを、サーバーに配置します。

プロビジョニングには、「kusanagi provision」コマンドを使用します。

VPSにWebコンソールでアクセスして、以下のコマンドを実行します(図18)。

kusanagi provision --WordPress wordpress-site-1
設定完了
図18 コマンド実行

「--WordPress」オプションで、WordPressをインストールします。

オプションを指定しないと、デフォルトでWordPressがインストールされますが、一応明示的にオプションを指定しておきましょう。

最後の「wordpress-site-1」が、「プロファイル」の名前です。

分かりやすい、任意の名前を付けて構いません。

コマンドを実行すると、WordPressのインストールに必要なファイルが展開されていきます。

WordPressインストール時の言語選択

次に、WordPressをインストールするときの言語を選択します。

日本語を選択したいので、キーボードで「2」を入力して、Enterキーを押します(図19)。

言語の選択
図19 言語の選択

ホスト名の設定

次にホスト名を設定します。

「www.example.com」など、FQDN(完全修飾ドメイン名、Fully Qualified Domain Name)を使用します。

ホスト名を入力して、Enterキーを押します。

確認のために、もう一度同じFQDNを入力して、Enterキーを押します(図20)。

言語の選択
図20 ホスト名の設定

SSL証明書の発行

次は、SSL証明書を発行します。

Let’s SSLの証明書を使用できますが、証明書の発行にはメールアドレスが必要になります。

今回は、以下の別記事で証明書の発行について紹介することにしますので、ここではスキップします。

KUSANAGIでインストールしたWordPressに、証明書を設定してみた

(証明書は、「kusanagi ssl」コマンドで発行できます。詳しくは「 https://kusanagi.tokyo/document/command/#ssl 」をご覧ください。)

SSL証明書の発行をスキップする場合は、Enterキーを2回押します。

データベース名の設定

WordPressで使用する、データベース(MariaDB)の名前を設定します。

確認用と合わせて、2回データベース名を入力します。

ここでは、「wdprsdb1」と入力します(図21)。ここで入力したデータベース名は、後ほどWordPressをインストールで使用しますので、忘れないようにしましょう。

データベース名の設定
図21 データベース名の設定

データベースユーザー名、パスワードの設定

データベースのユーザー名とパスワードを設定します。

ここも、それぞれ2回入力します。

ここでは「dbuser1」とします。データベース名と同じく、ここで入力するユーザー名とパスワードは、WordPressのインストール時に使用します(図22)。忘れないようにしましょう。

データベースのユーザー名設定
図22 データベースのユーザー名設定

続けて、パスワードを設定します。これも2回入力します(図23)。

データベースのパスワード設定
図23 データベースのパスワード設定

最後に、「Done」と表示されたら、プロビジョニングは完了です(図24)。

プロビジョニング完了
図24 プロビジョニング完了

WordPresのインストール

KUSANAGIのプロビジョニングが完了したら、いよいよWordPressをインストールします。

ブラウザーからWordPressのインストールページへアクセス

ブラウザーで「KUSANAGI のプロビジョニング」で設定したホスト名にアクセスすると、WordPressのインストールページが表示されます。

おっとその前に。

インストールページにアクセスする前に、サーバーのポートを開けておきましょう。

VPSのファイアウォール設定を変更して、ポート80番(HTTP)と、ポート443番(HTTPS)経由の通信を許可します。

ファイアウォールの設定は、VPSパネルの「ファイアーウォール」から行います。

詳しくは、「 https://helpcenter.gmocloud.com/cloudvpsvs/s/article/ch-4072#add_rule 」をごらんください。

WordPressのインストール
図25 WordPressのインストール

[さあ、始めましょう!]をクリックします(図25)。

すると、データベースへの接続情報を設定する画面が表示されます(図26)。

データベース接続のための情報
図26 データベース接続のための情報

[データベース名]、[ユーザー名]、[パスワード]は、「KUSANAGIのプロビジョニング」で入力したものを入力します。

[データベースのホスト名]、[テーブル接頭辞]は、特に変更する必要はありません。

入力できたら、[送信]をクリックします。

データベース接続のための情報
図27 インストール実行

[インストール実行]をクリックします(図27)。

サイトの基本情報と、ユーザーを設定する画面が表示されます(図28)。

ユーザー設定画面
図28 ユーザー設定画面
管理者情報
図29 管理者情報

ここで入力する「ユーザー名」は、WordPressの管理者の名前です(図29)。

データベースのユーザー名ではありません。混同しないようにしましょう。

とりあえず「kusanagi」と入力しておけばOKです。

必要項目を入力したあと、[WordPressをインストール]をクリックします。

特に問題がなければ、これでインストールは完了です。

[ログイン]をクリックして、WordPressの管理画面にログインしてみます。

ログイン画面
図30 ログイン画面

WordPressのダッシュボードが表示されました(図30)。問題なくインストールされているようです。良かった・・・。

ダッシュボード
図31 ダッシュボード

あと設定はもう一つだけ。パーマリンクの設定をしておきましょう。

画面左のメニューから、[設定]の上にマウスカーソルをおき、表示されたメニューから[パーマリンク]をクリックします(図31)。

パーマリンクをクリック
図32 パーマリンクをクリック

ここで記事のパーマリンクの設定をしておきましょう。

パーマリンク設定
図33 パーマリンク設定

デフォルトで選択されている「基本」の設定でも構いませんが、URLに日付や投稿名を入れることもできます(図33)。お好みでどうぞ。

WordPressトップページの確認

さて、本当にこれでWordPressのインストールは完了です。

実際にサイトがどのように表示されるか、確認してみましょう。

管理画面左上に表示されている、サイトのタイトルをクリックします。

今回は、「WordPressブログ」と書かれている部分ですね。

トップページを確認
図34 トップページを確認

無事、トップページが表示されました(図34)。

あとはサイトのテーマを変更したり、記事を投稿したりして、サイトを構築していきましょう!

その他の設定

今回はWordPressのインストールに焦点を当てるため、最低限の設定にとどめています。

実際にサーバーを外部に公開する場合は、この他にも、例えば以下の設定が必要です。

  • ・ドメイン設定
  • ・SSH経由でのrootユーザーログインを禁止
  • ・SSL通信を可能に設定
  • ・ポート80と443以外のファイアーウォール設定
  • ・作業用ユーザーの作成と設定

WordPressをインストールした後は、KUSANAGI公式のドキュメントを参考にして、サイトのセキュリティー対策をすることをお勧めします。

『推奨するセキュリティ対応』

https://kusanagi.tokyo/document/security/

まとめ

画面の質問に、ほいほいっと答えていくだけで、ほんとうにWordPressのインストールまでできてしまいました。

安定して動作するミドルウエアの組み合わせや、設定ファイルの修正方法などを、自分で調べる必要がないのは、すごく助かりますね。

時間がないけど、取り急ぎサイトを立ち上げたい場合などに、重宝するのではないでしょうか。

 

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この記事を書いた人

suzuki

テクニカルライターとIT系の英日翻訳をしています。
オフィス用複合機や関連ソリューション、パソコンなどが得意分野。
「作る側」と「使う側」とのギャップを埋めるべく、日々がんばってます。
写真撮るのが好き。猫も好き。twitter: @se_necosys

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