2021.04.22

【2022年5月更新】CentOS Linux 8のサポート終了問題と対策について

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centos81

※本記事は2022年5月時点の最新情報を掲載しております。

2021年末にCentOS Linux 8のサポートが終了してからしばらく経ちましたが、皆さま対策はお済でしょうか?

CentOS Projectの突然の方針転換による短期間でのサポート終了だったこともあり、まだ対策を取れていない方も多いのではないでしょうか?

また、非常に多くの方が利用されているCentOS Linux 7もサポート終了が迫ってきているため、これについてもそろそろ次を考えていく必要があります。

本記事では、再度の周知とお客さまの移行の一助とするため、CentOS Linux 8のサポート終了問題とCentOS Linuxの代替となるディストリビューションや選定時の注意点などを説明します。

目次

  1. CentOS Linuxの終了について
  2. CentOS Linuxの代替OSについて
  3. CentOS Linuxの代替OSの選び方について
  4. 最後に

CentOS Linuxの終了について

CentOS Linuxは、実績のある有償ディストリビューションのRed Hat Enterprise Linux(RHEL)のソースコードを元に、商権に関わるものや有償アプリケーションを除いて無償利用できるようにしたRHELクローンで、無償かつ安定動作や長期間の修正パッチ更新を望むユーザーに広く使われていました。

しかし、開発元のCentOS Projectの大幅な方針転換により、最新バージョンだったCentOS Linux 8については大幅に予定を短縮した2021年末をもってサポートが終了しました。

1つ前のバージョンのCentOS Linux 7については変更はありませんが、サポート終了が2024年6月と終わりが迫っています。CentOS Linux 9以降はリリースされません。

CentOS Projectは今後CentOS Streamというディストリビューションに注力します。CentOS LinuxとCentOS Streamの関係を以下に示します。

CentOS StreamとCentOS LinuxはRHELに対する立ち位置について

CentOS StreamはRHELに取り込む更新を事前確認するための場として用意されたもので、機能追加や脆弱性の対応などがRHELより先に行われます。

CentOS Streamで十分に検証された更新はRHELに取り込まれ、RHELのクローン製品であるCentOS Linuxや他のRHELクローンにも取り込まれます。

CentOS Streamは、いち早く更新を受け取れるメリットがある一方、RHELとパッケージのバージョンが全く同じにならないことやサポート期間が短いなどの違いもあり、CentOS Linuxを利用中のユーザーの全ての用途を満たすものではありません。

以下にサポートの終了日についてまとめました。

ディストリビューション サポート期間(EOL)
RHEL/CentOS Linux 7 2024/06/30
RHEL 8 2029/05/31
CentOS Linux 8 2029/05/31 → 2021/12/31終了済
CentOS Stream 8 2024/05/31
その他RHEL 8クローン RHEL 8と同時期

上記の表の通り、CentOS Linux 8は既にサポートが終了しています。

終了を迎えた製品は修正などが行われなくなるため、新たな脆弱性などが見つかった場合に対処できずセキュリティなどのリスクを抱えます。

また、終了した製品に対するベンダーやサードパーティーのハードウェア・ソフトウェアサポートも無くなっていくため、その環境を終了後も維持するのは困難になっていきます。

このため、CentOS Linux 8をご利用中の方はなるべく早く他のディストリビューションに移行することを推奨します。

なお、CentOS Stream 8を利用する場合、CentOS Linux 7とほぼ同時期の2024年5月末までしかサポートされず、RHEL 8や他のRHELクローンと比較すると期間が半減します。

CentOS Stream 8を検討されている方はサポート期間が短いことにご注意ください。

CentOS Linuxの代替OSについて

ここでは主にCentOS Linux 8を利用中のユーザーの選択肢を説明します。

  • 1. 無償利用可能なRHELクローンを利用する
  • 2. その他の無償利用可能なディストリビューションを利用する
  • 3. 有償ディストリビューションを利用する
  • 4. CentOS Linux延長サポートを利用する

以降にそれぞれについて解説します。

無償利用可能なRHELクローンを利用する

CentOS Linuxを利用していたユーザーにとっては、構成や使い方が変わらない無償利用可能な他のRHELクローンを利用することが、一番負担が少ないと思います。

代表的な無償利用可能なRHELクローンを以下に示します。

また、前述のCentOS Streamも多少性質が違いますがこちらに含めます。

ディストリビューション サポート期間(EOL)
AlmaLinux ・CloudLinux社(https://www.cloudlinux.com/)が主導するコミュニティで開発しているRHELクローン
・RHELと同等のサポート期間 (10年)
・CloudLinux社による有償サポートがある
・Plesk対応済
・CloudLinux社はRHELをベースとしたレンタルサーバ・ホスティング向けのOSで大きな実績がある
・AlmaLinuxもCentOS Linuxの終了の発表後に公開されたRHELクローンの中で最も早く公開され更新も早い
・更新速度とある程度のコミュニティを重視する方にお勧め
詳しい説明はこちら
Rocky Linux ・CentOS Projectの共同設立者のGregory Kurtzer氏が立ち上げたコミュニティで開発しているRHELクローン
・RHELと同等のサポート期間(10年)
・Gregory Kurtzer氏のCIQ社による有償サポートがある
・Plesk対応済
・コミュニティ主導のため企業の方針に影響を受けにくく、コミュニティの規模も大きい
・コミュニティを重視する方にお勧め
詳しい説明はこちら
MIRACLE LINUX サイバートラスト社が開発している国産RHELクローン
・RHELと同等以上のサポート期間(10年, 有償サポート利用時12年)
・サイバートラスト社による有償サポートがあり、日本語での技術サポートを受けられる
・サイバートラスト社は元々MIRACLE LINUXというブランドでRHELをベースとした有償ディストリビューションを提供していたが、無償利用可能なRHELクローンとしてMIRACLE LINUX 8.4を公開した
・日本語でサポートを受けたい方にお勧め
詳しい説明はこちら(MIRACLEの記事へのリンク)
Oracle Linux Oracle社が開発しているRHELクローン
・RHELと同等のサポート期間(10年)
・Oracle社による有償サポートがある
・Oracle製品の基盤として15年以上の実績があり、この表の中では最も長い
・RHELに対してカーネルなどカスタマイズされている部分があるが、通常の利用についてはRHELやCentOS Linuxと違いはない
・Oracle製品を利用している人にお勧め
詳しい説明はこちら
CentOS Stream ・CentOS Projectが開発しているRHELのアップストリームに位置するディストリビューション
・脆弱性などの更新がRHELより先に行われる(RHELに取り込む更新の一部が先行適用される)
・サポート期間はRHELのフルサポートフェーズと同じ (約5年。 Stream 8は2024年5月末)
・ローリングリリース方式でリリースされるため8.Xのようなマイナーバージョンの区別がない
・RHELクローンではなく更新が先行することやサポート期間が違うなどの差はあるが、ほぼRHELクローンと同様の使い方ができる
・RHELの更新を先取りしたい方にお勧め。長期利用には不向き
詳しい説明はこちら

上記のうち、AlmaLinuxとRocky Linux、MIRACLE LINUX(MIRACLE LINUX 8.4)はCentOS Linuxの終了をうけて開発された新規のRHELクローンです。

AlmaLinuxは、これらの中で最も早く公開を行い、更にCentOS Linux 7からAlmaLinux 8や他のRHEL 8クローンへ世代を超えた移行を行う移行ツールプロジェクトELevateを公開するなどの実績を持ちます。

Rocky Linuxは、コミュニティ主導という特徴を持ちその規模も大きく、世界的な知名度はGoogleトレンドなどで確認出来る範囲では最も高いです。(2022年5月時点)

MIRACLE LINUXは、国産かつ日本語で技術サポートを受けられ、有償サポートを利用時は12年のサポートを持つなどの特徴を持ちます。

次にOracle Linuxは、長年Oracle社の製品の動作基盤として採用されているRHELクローンで、ここで挙げた無償利用可能なRHELクローンの中では最も長い歴史を持ちます。

Oracle社の基盤として多少カスタマイズされていて純粋なRHELクローンとは言えない点がありますが、通常の利用に関してはRHELやCentOS Linuxと同じです。

これら4つについてはCentOS Linuxのほとんどの用途をカバーできCentOS Linuxの代替として申し分ありません。

どれも実績のある企業やメンバーが関わっていてRHELと同等ないしそれ以上のサポート期間を持ち、パッケージ構成も基本的に同じなため、無償利用の範囲だとどれを選んでも大きな違いはありません。

このため、それぞれの更新速度やコミュニティ規模など皆さんが重視するポイントで選んでいただければと思います。

なお、ディストリビューション付属のパッケージだけでなくサードパーティー製品をご利用の方は、その製品が対応しているディストリビューションを確認してください。

現時点ではCentOS Linuxほど対応は行われていませんが、特に新規のディストリビューションについては対応する製品が急速に増えてきています。

CentOS Streamは上記4つと異なり注意が必要です。

通常の利用に関してはRHELやCentOS Linuxと同じように利用でき、RHELより更新が先行するためいち早く脆弱性に対応できる大きな強みも持っています。

しかし、更新の先行によりRHELと同じバージョンを常に維持することができないことやサポート期間が異なる・リリース方式が違うなどRHELやCentOS Linuxとの違いも多く、ユーザーを選びます。

CentOS Linuxをご利用中の方がCentOS Streamを検討される場合は、まずは自身の利用用途に適しているかを確認してください。

なお、ここで挙げたディストリビューションは全て、CentOS Linux 8環境から切り替えるツールを提供しています。

利用は自己責任とはなりますが、既に利用中のCentOS Linux 8環境をそのまま切り替えることができるのは大きな利点です。

その他の無償利用可能なディストリビューションを利用する

CentOS Linuxとは系統が異なりますが、世界的にはCentOS LinuxやRHELより人気なディストリビューションも存在します。

CentOS Linuxとは多少系統が異なるディストリビューションの中でクラウドでもよく利用される代表的なものを以下に示します。

ディストリビューション サポート期間(EOL)
Debian ・Debian Projectで開発されているディストリビューション
・Aptパッケージ管理システムを採用。パッケージ管理やOSの設定などがRHELとは異なる
・コミュニティ主導で開発され、コミュニティの規模も大きい
・1993年から公開されていて歴史が長い
・安定性を重視しパッケージも豊富
・2年に1回程度メジャーリリースし、LTS(Long Term Support)版のサポート期間は5年
Ubuntu ・Canonical社の支援で開発しているDebianから派生したディストリビューション
・Linuxで世界最大シェア
・使いやすさを重視し、新しい技術・パッケージの取り込みに積極的
・Canonical社による有償サポートがある
・半年ごとに通常版、2年ごとにLTS版がリリースされ、LTS版のサポート期間は5年
・ESM(Extended Security Maintenance)によりLTS版のサポート期間を最大10年に延長できる
・ESMの利用には有償サポートが必要。コミュニティユーザは3台まで無償利用可能

上記の表の2つは一般的にDebian系と呼ばれるディストリビューションです。

DebianやUbuntuの大きな特徴としては、パッケージの数が非常に豊富であることやRHELより短い間隔で更新されることが挙げられます。

このため、積極的に最新のツールや多種多様なツールを利用したいユーザーなどに人気です。

特にUbuntuは使いやすさも重視していて新しい技術の取り込みなどにも積極的なため人気があります。

また、これらは全世界でのシェアも大きくコミュニティの規模も大きいため、情報を集めることにも苦労しません。

ただし、DebianやUbuntuはCentOS LinuxやRHELと比較すると、別のパッケージ管理システムを採用しパッケージのインストール時などのコマンドが違っていたりOSの設定ファイル(ネットワークなど)の場所・記載方法が異なるなど多少の違いが存在します。

このためCentOS Linuxを利用していた人にとっては多少の違和感があるかもしれませんが、すぐに慣れる程度の違いです。

なお、サポート期間についてはLTS(Long Term Support)版で5年となります。

RHELよりは短いですが一般的な期間を持ちますし、Ubuntuでは有償サポートなどで10年まで延長可能です。

有償ディストリビューションを利用する

CentOS Linuxからの移行を機に有償ディストリビューションの利用を検討してすることも選択肢の一つです。また、無償のRHELクローンにも有償サポートが提供されています。

有償の場合は、その製品や契約レベルによりますが24時間サポートや迅速に修正パッチを受け取ることが可能になり、無償利用では使えないアプリケーションが利用可能になる場合もあります。

ユーザーが利用する環境に要求されるセキュリティやサービス品質を基準として有償利用するかを検討してください。

有償利用の例を以下に示します。

ディストリビューション サポート期間(EOL)
Red Hat Enterprise Linux(RHEL) ・RHEL系の元になるディストリビューション
・長年商用環境などで使われて続けている実績がある
・サポート期間は基本的には10年
RHELクローン+有償サポート ・「無償利用可能なRHELクローンを利用する」で挙げたディストリビューションに有償サポートを付けて利用する
・サポート期間は基本的には10年(MIRACLE LINUXは12年)
・利用可能なのはAlmaLinux, Rocky Linux, MIRACLE LINUX, Oracle Linuxなど
Ubuntu + 有償サポート ・Ubuntuに有償サポートを付ける
・サポート期間は10年 (基本5年+ ESMで5年。 16.04以前は最大8年)

上記のうち、CentOS Linuxを利用中のユーザーはまずはRHELの検討をしてはいかがでしょうか?

なお、Ubuntuで有償サポートを受けるとサポート期間をRHEL並みの10年に延長可能です。

Ubuntuを利用する方はこの目的だけでも有償サポートを検討する価値があります。

CentOS Linux 延長サポートを利用する

どうしてもCentOS Linuxから環境を移行できない方や移行にもう少し時間が必要な方のため、いくつかの会社がCentOS Linuxの延長サポートを提供しています。

延長サポートを利用した場合、CentOS Linuxのサポート終了後もセキュリティパッチなどを受け取ることが可能になり、脆弱性に対処ができます。

延長サポートを提供している会社の代表的なものとしては、RHELクローンの開発もしているCloudLinux社サイバートラスト社などが挙げられます。

延長サービスは提供元によりサービス提供期間やセキュリティパッチの対象パッケージが異なるため、ユーザーの用途・サポート範囲などを基準に利用する延長サービスをご検討ください。

CentOS Linuxの代替OSの選び方について

CentOS Linuxをご利用中の方は、まずは無償で利用できて操作やパッケージ構成・サポート期間がCentOS Linuxとほぼ同じRHELクローン(AlmaLinux、Rocky Linux、MIRACLE LINUX, Oracle Linux)を検討することをお勧めします。

これらは、無償で利用できる範囲に関してはほぼ違いがなく、どれを選んでも問題はないと思います。

それぞれの特徴は前述の「無償利用可能なRHELクローンを利用する」をご確認ください。

十分なサポート必要を必要とする場合はRHELの検討をお勧めします。

CentOS Linuxと似た使用感で脆弱性への対処やRHELの新機能の先取りをしたい方はCentOS Streamをお勧めします。

ただし、CentOS StreamはRHELとバージョンが完全一致しないことやサポート期間が短いなど、CentOS Linuxや上記のRHELクローンと違う点もあるため、自身の利用に適しているか注意が必要です。

RHELやCentOS Linuxと同じことにこだわりがないのであれば、シェアが大きくパッケージが豊富なUbuntuやDebianもお勧めします。

どうしても移行できないか移行に時間が必要な場合は、CentOS Linux 8の延長サポートも検討してください。

最後に

弊社では各サービスにおいて、今年で終了するCentOS Linux 8の替わりに利用できるディストリビューションの提供を進めております。

既に以下のサービスでAlmaLinuxやRocky Linuxなどが利用可能です。
※Rocky Linuxは一部サービスのみ提供済み

また、高性能なサーバー管理ツールPleskについても、多くのサービスにおいてAlmaLinuxやRocky Linuxで利用可能です。ぜひご活用ください。

サポートが切れたOSは脆弱性が見つかってもパッチが提供されずセキュリティ面で危険です。

CentOS Linux 8をご利用中の皆様には、なるべく早く他のディストリビューションに移行していただくようお願いいたします。

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この記事を書いた人

藤永勝久

元開発者。サーバ、OS、クラウド基盤などの基盤系開発や研究開発などに広く携わっていました。

GMO グローバルサイン・HDに入社してからは研究開発やツール開発などに従事。
現在は弊社の各種クラウド・ホスティングサービスの新規サービスの企画を行っています。
新しいものを試すことに目がなく、新しいものを見つけたらまずは調べて実際に試しています。

最近は肥満解消のために自転車に乗っていますが、先は長いです。

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